2011年のベスト1は、アトゥール ガワンデ氏の「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」でした。この本は、今年だけではなく、ビジネス書の杜を始めてから読んだビジネス書の中でも、印象に残る一冊です。
全体が、チェックリストの普及の物語になっており、その内容は非常に示唆と刺激に富んだものであり、かつ、誰でも知っており、また、多くの人が作ったことがあるチェックリストが対象であることを考えると、実践的だともいえます。
第2位は、学習する組織の新しいバージョンです。記事にも書いていますが、最初のバージョンはビジネス書の杜で最も売れた本です。そのバージョンアップ版でしたが、分厚いし、高いので、これだけ売れたのは意外ですが、やはり、組織学習という課題が喫緊の課題だということなのでしょう。
第3位はジョブズもの。世の中的には伝記
ウォルター・アイザックソン(井口 耕二訳)「スティーブ・ジョブズ」、講談社(2011)
が圧倒的に売れていますが、ビジネス書の杜では、IとIIを併せて9位に入るくらいでした。その代わりということでもないのでしょうが、売れたのがジョブズの右腕だったジェイ・エリオット氏の書いた「ジョブズ・ウェイ」でした。特に、ジョブズ氏が亡くなったあと、多く売れました。
さて、昨年は未曾有の災害がありましたが、本の売れ方が、震災によって分断されているようです。震災前にかなり売れていた本が、震災後ほとんど売れないという本がかなりあり、年間を通じて売れた本というのがありませんでした。中でも、もし、震災がなければベスト3には入っていただろうと思うのが、安宅和人さんの「イシューからはじめよ」です。この本はたいへんよい本だと思いますし、流行があるような内容ではありませんので、まだの方は、ぜひ、手に取ってみてください!
また、昨年はfacebook別館を作り、そこでコメントした本に「いいね!」の数でブログで詳細な紹介をするというシステムを作りました。「ファンが選ぶビジネス書」プロジェクトです。1~3位はもちろん、9位の「イシューからはじめよ」、6位の「戦略と実行」、8位の「ゲームストーミング」以外の7冊は、ファンの選んだビジネス書という結果になりました。口コミ効果の一種だと思いますが、すごいことです。
「ファンが選ぶビジネス書」プロジェクト
最後にもう一つ、昨年は好川も7年ぶりに本を書きましたが、10位に入ることはできませんでした(涙)。なんとかベスト20には入りましたが。
好川哲人「プロジェクトマネジメントの基本」、日本実業出版社(2011)
ということで、ベスト10は以下のとおりです。
続きを読む "【ビジネス書の杜】2011年売れ筋ベスト10" »
アトゥール ガワンデ(吉田 竜訳)「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】」、晋遊舎(2011)
お奨め度:★★★★★+α
facebookページ記事:「チェックリストは深い!」
チェックリストの力を信じる外科医アトゥール・ガワンデが提言する「チェックリスト」作成のススメ。著者は医者であると同時にジャーナリストでもあり、医療だけではなく、経営、投資、飛行機、建築、料理などでもチェックリストが使われており、驚くような成果が生まれていることを事例を通じて紹介している。読み物としても抜群に面白い。
続きを読む "チェックリスト宣言(ファンが選ぶビジネス書26)" »
遠藤 功「伸び続ける会社の「ノリ」の法則」、日本経済新聞出版社(2011)
お奨め度:★★★★★
facebook記事「「ノリ」を生み出し仕組みづくり」
「現場力を鍛える」、「「日本品質」で世界を制す!」など、比較的、硬派の論調で知られる著者の「ノリ」論。これまでの著作を読んでいる人は何となく、底辺で通じているものを感じながら読める組織活性化論。
続きを読む "ノリの正体を解明する(ファンが選ぶビジネス書27)" »
トミタ・ジュン「「センスいいね!」と言われる人の思考術」、アチーブメント出版(2011)
お奨め度:★★★★★+α
※facebookページ記事「センスは天性ではなく思考技術」
「センス」というよく使うが、実体がよく分からないものについて、建築士であり、グラフィックデザイナーである著者が正体を明らかにし、センスいいと言われるようになるための方法を示した一冊。著者はセンスとは感性と理性の融合であるという。建築士とデザイナーの二面性がある著者ならではのものの見方ではないかと思う。
続きを読む "発想力を問われる時代は、頑張ったら負けだ(ファンが選ぶビジネス書25)" »
トム・ピーターズ(杉浦 茂樹訳)「エクセレントな仕事人になれ! 「抜群力」を発揮する自分づくりのためのヒント163」、阪急コミュニケーションズ(2011)
お奨め度:★★★★★+α
※facebook記事「ディス・イズ・トム・ピーターズ」
トム・ピーターズ総集編な一冊。この本の原題は、「The Little BIG Things」。タイトルから分かるように、小さく大きなこと。
この本は内容を紹介しようとは思わない。トム・ピーターズの望むようにトイレで読んで欲しい。この記事は、読者の方にこの本を手に取っていただくことを目標に書く。
続きを読む "エクセレントへの旅(ファンが選ぶビジネス書22)" »
スコット ベルスキ(関 美和訳)「アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力」、英治出版(2011)
お奨め度:★★★★★+α
※facebook記事「今、求められているプロジェクトマネジメント」
クリエイターの成功はアイデア自体ではなく、アイデア(ひらめき)を実行するアイデア実現力にあるとし、アイデア実現力を構成する3つの力について述べた本。多くの成功しているクリエイターのベストプラクティスが紹介されているので、クリエイターに役立つことはもちろんであるが、一般的なプロジェクトにもイノベーションが求められる今、すべてのプロジェクトに適用できる方法論だ。
続きを読む "アイデアを実現するプロジェクトマネジメント(ファンが選ぶビジネス書21)" »
Dave Gray、Sunni Brown、James Macanufo(野村 恭彦監訳、武舎 広幸、武舎 るみ訳)「ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム」、オライリージャパン(2011)
お奨め度:★★★★★+α
今、もっとも注目されているコラボレーションの手法「ゲームストーミング」の待望の邦訳。会議やチーム、プロジェクトをクリエイティブに成功させたいと思っている人は必読の一冊。
続きを読む "仕事にゲームを取り入れ、クリエイティブに" »
ピーター・センゲ(枝廣 淳子、小田 理一郎、中小路 佳代子訳)「学習する組織――システム思考で未来を創造する」英治出版(2011)
お奨め度:★★★★★
facebook記事「不朽の名作」
ビジネス書の杜10年間でもっとも売れた書籍、ピーター・センゲのFifth Disciplineの第2版の邦訳。20年前に出版された第1版と較べると、より哲学的になり、より具体的になってきたような印象がある。第1版を読んだときには、かなり衝撃的だった。しかし、第2版を改めて読んでみると、断片的には常識だと思えるような部分が数多くあるのが印象的だった。この20年間のセンゲの活動の成果であり、マネジメントに対する常識の変化なのだろう。
続きを読む "学習する組織の5つのディシプリン(ファンが選ぶビジネス書17)" »
シャーリーン・リー(村井章子訳)「フェイスブック時代のオープン企業戦略」、朝日新聞出版(2011)
お奨め度:★★★★★+α
顧客に対しても、社内においても、オープン戦略が取られ始めている。まだ、大きなうねりになっているとまではいかないが、止まる流れではない。特に、Twitter、facebookの急速な普及は、この流れを加速すると見られている。そのような中で、組織やリーダーシップはどうあるべきかを論じた一冊。原題は、35ドル支払ったオンライン調査で圧倒的に人気だった「オープンリーダーシップ」だった。微妙な邦題だが、基本的にはオープンリーダーシップの本である。
続きを読む "今、もっとも読まれるべきリーダーシップの本(ファンが選ぶビジネス書15)" »
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