デイビッド・メッキン(國貞 克則訳)「財務マネジメントの基本と原則」、東洋経済新報社(2008)
お薦め度:★★★★★
現場マネジャーにも財務の知識は不可欠である。ただ、財務マネジメントには財務諸表で閉じた独特の世界があり、分かりにくく、近寄りがたい部分がある。その一因になっているのは、マネジメントや経営的な意思決定との関係が見えにくいということがあるように思う。
このため、専門家以外に役立つ本というのはなかなか見当たらない。そんな中で、非常に良い本が出た。
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ジェームズ・アンドリュー、ハロルド・サーキン(重竹尚基、遠藤真美、小池仁訳)「BCG流 成長へのイノベーション戦略」、ランダムハウス講談社(2007)
お薦め度:★★★★
この本が指摘し、かつ、答えを準備している問題は非常に重要な部分である。
日本ではイノベーションはマネジメントするものではなく、言い方は悪いが、「アイディア」と「運」だと思っている人が多い。この議論でよく引き合いに出されるのが、20年前にウォークマンを作ったソニーはなぜ、iPodを作り得なかったかという話だ。実は、本書にもこの話は触れられているので、興味ある人は読んでみてほしい。
日本ではと書いたが、この傾向は欧米でも同じような傾向があった。あまりにも、説明できない(不確実な)ことが多く、体系的にマネジメントできるものではないと考えられてきた。
この傾向が変わる契機になったのが「クリステンセンのイノベーションのジレンマ」ではないかと思う。このあたりから、日本でも著名なものでも、クリステンセンの「破壊的イノベーション」、ムーアの「キャズム」、キム氏&モボルニュは「ブルーオーシャン」など、ロジャースが提示したイノベーションモデルでは説明できないような現象を説明するモデルが多くでてきた。
そのような中で、この本はボスコンの体系的なイノベーションマネジメントの手法を紹介するものである。投資マネジメントをキャッシュカーブというフレームワークで合理的に行っていくことによって、不確実性に対処し、最適なゴールを見つけ出し、到達することができるというものだ。
商品開発を担当している人にはぜひ読んでほしいと思うが、この本は単にイノベーションにとどまらず、「マネジメントの価値」を考えさせられる本である。その意味で、すべてのマネジャーにお薦めしたい1冊である。
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リチャ
ード・ブリーリー、スチュワート・マイヤーズ、フランクリン・アレン(藤井眞理子、国枝繁樹訳)
「コーポレート ファイナンス第8版(上)」
「コーポレート ファイナンス第8版(下)」
日経BP社(2007)
お奨め度:★★★★1/2
コーポレートファイナンスのバイブル中のバイブル。1981年の刊行以来、8版を重ねている。
この版の特徴は、コーポレートガバナンスを解説した章ができたことだ。「コーポレートガバナンスと企業支配権(34章)」。ご時勢として、ビジネスマンはこの話題は避けて通れない
その意味で、特に、コーポレートファイナンスの専門家以外の人にお奨めしたい本だ。コーポレートガバナンス以外にも、ポートフォリオ理論、プロジェクトファイナンス、リアルオプション、NPV、リスクリターンなどビジネスのさまざまな場面で出てくる理論だが、普通の本であれば、概念だけか、難しい数式が並ぶ説明しかないような話。ところが、この本では簡単な数学の知識があれば「意味」が分かるような説明がされている。これは素晴らしいのひと言に尽きる!
今回から新たに加わった「ファイナンス・イン・ザ・ニュース」も、素人にも読んでいて楽しいし、クイズもある。
値段(上下で1万円)を考えると、ちょっと高い気もするが、一冊もっておいて、1年くらいかけてちょっとずつ読んではどうだろうか?
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