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行動するリーダーは、行き過ぎた行動をとったときに、リーダーシップを失う
(ジョン・マエダ、RISD学長)
【成分】
◆マイクロマネジメントに陥るリーダー
◆典型的なマイクロマネジメント行動
◆プロジェクトマネジャーが行動すべきこと
◆重要なのは計画と状況把握
◆コミュニケーションについて
【効用】
・PM体質改善
アカウンタビリティ向上、リーダーシップ発揮、アナロジー思考力アップ
・PM力向上
ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上
・トラブル緩和
モチベーション向上、チームの士気向上
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【解説】
一般の(プレイング)マネジャーと比べ、プロジェクトマネジャーの介入は目立つものがあります。マトリクス型組織におけるプロジェクトではラインマネジャー(機能組織のマネジャー)が人材を育成し、プロジェクトで活用するというのが原則ですが、特にIT系の企業ではエンジニアは常にプロジェクトに従事しており、なかなか、思ったようなスキルを持つメンバーを確保できないという事情があります。そのような環境の中で、メンバーの育成という観点からは望ましくないと思いつつも、厳しい納期に対応するには、どうしても手が出てしまうという一面があるようです。
しかし、それはそれとして、プロジェクトマネジャーが過度に手を出すことはメンバーの育成以前にリーダーシップの問題にかかわってきます。つまり、メンバーからの信頼を失います。メンバーからの信頼を失ってしまうと、メンバーの育成はおろか、メンバーに自分の仕事をしてもらうことすらも難しくなります。
過去に一度だけですが、これで大失敗をしたプロジェクトを見たことがあります。その会社では伝説のプロジェクトになっているようですが、8人いたメンバーが全員示し合わせてプロジェクトを離脱してしまいました。会社に来なくなったのですが、その原因になったのがプロジェクトマネジャーの介入への反感だったそうです。
僕はこのプロジェクトマネジャーをよく知っているのですが、極めて優秀なエンジニアでした。そして、メンバーに自分と同等な仕事を求めて、できない場合には容赦なく、介入し、強引に自分のやり方を押し付けていたようです。
不思議なことに技術リーダーとしてプロジェクトに参加していたときには、同じやり方がメンバーに受け入れられていたそうです。ところがプロジェクトマネジャーとしては受け入れられなかった。何とも考えさせられる話です。
今回のサプリはこのような問題意識で書いています。
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リーダーシップの能力が、その人が持っている力を発揮する上限を決める蓋となる
(ジョン・マクスウェル)
【成分】
◆マクドナルド兄弟の限界
◆マネジャーとリーダー
◆リスクが取れない
◆ITスキル標準のレベルはリーダーシップで決まる
◆リーダーシップと新規性、複雑性
【効用】
・PM体質改善
リーダーシップ発揮
・PM力向上
ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
モチベーション向上、チームの士気向上
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【解説】
同じような能力を持っていても大きな仕事ができる人とできない人がいます。人間力とかいう言葉で整理されることが多いように思いますが、これはリーダーシップによるものです。人が持てる能力を発揮する際に上限になるのはリーダーシップだという唱えた権威がいます。ジョン・マックスウェルです。
結局、この問題は何に帰着するのかと考えると、一人でできる範囲なのか、いろいろな人の力を借りてできるのかということです。
ただし、難しいのは力を借りる人がスキルフルな人であればいいですが、そうでないとリスクが発生することです。このリスクをとることができない限り、一人でできる範囲の仕事しかできないわけです。これは、特に組織の中で仕事をしているとそんなにたやすいことではありません。
今回のサプリはこの問題について考えてみました。
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必要な情報が足りない中でも決断できるものが上に立つことができる
(ボブ・バーグ、メンター)
【成分】
◆不確実性の中で決断できるのがリーダー
◆エスカレーション考
◆経験者はより適切な判断ができるというウソ
◆リーダーとしてフォロワーから認められるには
【効用】
・PM体質改善
リーダーシップ発揮、実行力向上、自己統制力アップ、アカウンタビリティ向上、問題解決能力向上
・PM力向上
チームをまとめる力の向上、ステークホルダをコントロールする力の向上、リスク対応力向上、プロ意識の向上
・トラブル緩和
モチベーション向上、プロジェクトにおける辛さの克服
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【解説】
本号がPMサプリの350話になります。1ヶ月に4話ですので、7年以上続けていることになります。
今年に入ってから傑作選を作り、Kindleで出版しようと思い、選定を始めたのですが、どの回も思い入れがあり、なかなか、まとまりません。どういうときに書いたか、書いたときの心境なども比較的明瞭に覚えています。PM養成マガジンに連載している「戦略ノート」も300話を超えていますが、戦略ノートに比べると書くのに苦労しているためかもしれません。
さて、今日は少し、大きな話です。
あるところで、エスカレーションはすべきではない的な発言をしたら、それは違うのではないかと言われました。このやり取り自体はボタンがあったかもしれないですし、なかったのかもしれません。
意志決定には2つの種類があります。権限が伴う意志決定と、権限が伴わない意思決定です。たとえば、顧客から要求追加があったときに、予算を増やさなくては対応できないとします。プロジェクトマネジャーが予算を勝手に増やす権限がないとすれば、これはエスカレーションしなくてはなりません。
一方で、予算追加は必要なく、2~3日、遅れが生じそうだが、それもなんとか是正できそうだとします。この場合には、権限がなくてもできる意思決定で、エスカレーションする必要がありません。しかし、現実にはエスカレーションしているケースが少なくありません。あるIT企業のマネジャーに聞いた話ですが、当然エスカレーションする必要があるとのことです。なぜなら、リスクが増すからで、それは管理者としては看過できないというのです。
まあ、こうやって改めて文章に書いたものを見るとあほらしいことに気づかれるかもしれませんが、少なくともそのときは大真面目で言われていました。要は計画通りではないことは何でも報告せよというのです。さらにいえば、これをコミュニケーションがよいと思っている節もあります。
これではリーダーは育ちません。今回のサプリはそんな問題意識で書いたものです。
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◆体制・リソース・プロセス
前回までイノベーションのネタになるアイデア出しについて述べてきたが、今回からはアイデアに基づく実行について考えていきたい。
イノベーションの実行に関して常に問題になるのは、体制とリソースであり、両者は密接に関連がある。イノベーションの中には、そのためのリソースをとらないとできないものもあれば、特にリソースをとる必要はないものがある。リソースをとる場合にはプロセスを決めることもある。
◆リソースをとらない場合
まず、リソースを取らない場合であるが、通常業務の一環としてイノベーションを行うようなケースで、たとえば、業務のやり方を大きく変えるといったケースが考えられる。
マネジメントとしては、メンバーに仕事を与えるときに、常に2種類の目標を与えるといい。一つの目標は与えられた仕事をもっとも効率的な方法で実行することだ。一般的にいえば、ある程度業務プロセスがこなれていると、「いつものやり方」ということになる。
もう一つの目標は、まったく新しいやり方で仕事を行うことだ。ここで重要なことは、仕事をするメンバーに
・仕事の目的は何か
・相手が期待していることは何か
・相手の期待に応えるベストな方法なのか
ということを考えてもらうことだ。
現実的には効率的に結果を出すことが求められるので、新しいやり方が採用されることはほとんどないかもしれないかもしれない。また開発手順などの標準プロセスが決まっている場合には、改善をしながら効率的な方法を決めている。
しかし、効率改善だけでは十分ではない。重要なことは改善の習慣ではなく、常に新しいやり方を求める習慣である。当たり前のようになっている標準があっても、他にもっとよい方法があるのではないかという意識がイノベーションを生む。このような意識づけが進むと、新しい業務プロセスだけではなく、さまざまな分野でのイノベーションのつながっていく。たとえば、顧客サービスの提供のまったく新しい方法を考えて、新しい商品が生まれてくることはそんなに珍しいことはでない。
このような考え方でマネジメントを行う場合に重要なことは、新しいやり方を評価することだ。評価の中で重要なのは、ポテンシャルを評価することだ。これができれば、これまでのやり方は古めいて見えると思えるやり方は引き立てていくことが重要である。この見極めはマネジャーの力量である。
◆リソースをとるが、業務プロセスには組み込まない
次にリソースをとる場合であるが、これにはいくつかのレベルが考えられる。まず、業務プロセスの中に組み込まないレベルがある。典型的な方法はメンバーの一人一人に自由に時間を使わせ、その時間は勤務時間とみなす方法だ。このような考え方の始まりが3Mが始めた「15%カルチャー」といわれる制度だ。3Mでは執務時間の15%は自分の好きな研究に使ってもよいとするもので、3Mの主力製品の一つであるポストイット(TM)は「15%カルチャー」で生まれたとされる。
最近では、グーグルが同じような制度を取り入れて、サイトで提供されているさまざまな製品を生み出しているのが有名である。3Mの「15%カルチャー」は不文律であるが、グーグルの20%ルールは義務だとされている。どちらが効果的なのかは興味深いところだ。
さて、もう少し取り組みのレベルを上げると、プロジェクトなどの形で非定型の業務プロセスにしていくことがある。プロセスにするかどうかの基本的な違いは、組織として体制を組むかどうかの違いである。この体制には単にイノベーションのためのチームだけではなく、イノベーションの成果を展開するためのさまざまなオペレーションが含まれてくる。この形がイノベーションのイメージにもっとも近いものかもしれない。これについては、次回、議論する。
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問題に対する答えが一つでないということこそ、マネジメントの世界の特質である
(ピーター・ドラッカー)
【成分】
◆なぜ、「要員投入なのか」
◆実行しやすいことからやる
◆問題も答えの有効性も変わる
◆マネジメントの問題解決には意思決定が不可欠
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【解説】
プロジェクトにおいてマネジメント上の問題解決をする際に、非常に不可解なのは意思決定をしていないことです。
ドラッカーのいうように、マネジメントの場合、問題の答えは複数あるのが一般的な状況です。かつ、どの答えも100%ではありません。100%の答えが複数あるのであればどれを選んでもいいわけですが、100%でなければどれを選ぶかによって問題解決の結果が大きく変わってきます。
特にプロジェクトのようにスケジュールやコストの制約が厳しい中ではどの答えを選ぶかはプロジェクトの成否にかかわる問題です。にも関わらず、複数の答えを比較検討して、意思決定をしない。
なぜかというと、実行しやすい答えを選んでいるからです。こんなやり方をしていると、一旦、問題が発生してしまうと泥沼化してしまう可能性があります。可能性だけではなく、問題が起こったときの答えの選択を間違えて、泥沼化しているプロジェクトをいくつも見ています。
今回のサプリは、このような問題意識で書きました。
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◆はじめに
10周年を迎え、「センスのよいプロジェクトマネジャーになろう」というコンセプトを掲げて、イベントを行ってきた。一方で、この機会にと考え、過去のプロジェクトマネジャーや上位者へのインタビューデータなどを引っ張り出し、センスのよいプロジェクトマネジャーとはどのようなものかをまとめてみた。この活動の中で以前お会いして話を聞いたプロジェクトマネジャーの方で、印象深かった人には今回改めてインタビューをさせて頂いた方もいる。
10周年のイベントの一つとして連載しようと思ったのだが、やっぱり、クロージングイベントにとっておこうと思って連載は思いとどまり、1月26日(東京)、2月2日(大阪)のクロージングイベントで発表した。
その内容を中心に、短期連載をする。
◆そもそもセンスとは
センスのよいプロジェクトマネジャーになろうというコンセプトを打ち出したときに、そもそも、プロジェクトマネジャーのセンスとは何かという質問や意見を10人以上の人から貰っている。これについては、日経BPの谷島さんとのキャッチボールをした形跡もある。
ファッションのセンスという言葉のように、見かけがいいとか、クールであるといった解釈をし、プロジェクトマネジャーの仕事はもっと泥臭いものだと突っ込んできた人も一人や二人ではない。どうもセンスという言葉には、現場の泥臭さとは相いれない言霊があるのかもしれない。
実は、センスについてはコンセプトを掲げたときからかなり明確なイメージがあり、活動と通じて固まっていった感じだ。
◆センスの感じ方は人によって違う
センスといったときに、多くの人が真っ先に思い浮かべるファッションについて考えてみよう。ファッションのセンスがあるとはどういうことか。誰がみてもかっこよく、自分もあんな風に服を着こなしてみたいといったイメージだろう。もちろん、そのような評価は服だけに起因するものではなく、立ち振る舞い、言葉使い、など、外見にあらゆるものに起因する。さらにいえば、マザーテレサの有名な言葉に
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
(以下、略)
という言葉があるように、行動や言葉の内面には思考があり、それもセンスの良さとして認知される一つの要因になるだろう。
このように外観や内面で事象を上げていくとセンスがよいとはどういうことかは収集がつかなくなってくる。なぜなら、好川がセンスがよいと思う人と、この記事を読んでいるあなたがセンスがよいと思う人は違うかもしれないからだ。だから、ファッションセンスを語るときは語る人の影響力というのが意味を持ってくる。
これはどういうことなのか?少し視点を変えて、自分がセンスがよいと思う条件は何かと考えてみると、自分の期待にどれだけ合致しているかなのだ。人があの人はセンスがいいというときには、ファッションに限らず、自分の期待に応えているかどうかをみている。あの人はセンスいいなと思う人は、自分の(潜在的な)期待に応えたファッションをしたり、立ち振る舞いをしているわけだ。。
期待を持たない人はセンスという概念を持たない。
◆センスとは他人の期待に応えること
このように考えると
センスとは他人の期待に応えることである
ことだといえる。
だから、僕はセンスを問題にしている。プロジェクトにおける他人とは、メンバー、顧客、上位管理者、関係者などさまざまな人がいる。いわゆるステークホルダだ。センスのいいプロジェクトマネジャーは、これらのステークホルダの期待に応える。
瞬時にそんなことができるはずがないと思った人もいるだろう。その人はセンスがいいとは言いかねる。
これは後でも出てくるが、期待に応えることは「要求」に応えることとは違う。ここを混乱しているのだ。
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◆原価が1割下がらんのやったら、3割下げることを考えたらどうや
松下幸之助翁がブラウン管の原価を一割下げる方法はないものかと技術者たちが集まって議論していたところに通りがかり、
「みなさんね、原価が1割下がらんのやったら、3割下げることを考えたらどうや」
というアドバイスをしたというエピソードがある。3割下げようと思えば、今の設計や材料、工程に至るまで根本から見直す必要があるからだ。
絶頂期の松下(現パナソニック)は、マネ下とか、二番手商法とか、創造性のなさについて揶揄をされることが多い会社だった。製品技術的にはそうかもしれないが、このエピソードを読むかぎり生産や販売においては、どんどんイノベーションを繰り返していたことは間違いない。たとえば、ナショナルショップは間違いなく販売イノベーションだ。その秘訣はこのエピソードにあるように思う。
松下幸之助に関する本を読んでみると、この手のエピソードには事欠かない。このように、困ったときに極限の状況を考えてみるというのは水平思考の手法の一つである。
◆10%では従来の枠組みをから抜け出せない
ブラウン管の例でいえば、10%のコストカットをしようとするから、従来の延長線上でいけると考え、実際にそのように考える。昨年、NECが13インチのウルトラノート(LaVie Z)で900グラム弱の商品を開発して話題になった。開発物語を読んでいると、徹底的に部品重量を絞って1キロ弱になったそうだ。樹来の方法ではこれ以上の軽量化の目途が立たず、開発プロセスを根本的に見直し、一つ一つの部品設計を徹底的に見直し、実現したそうだ。
このように非常識な目標を設定することにより、従来のやり方を根本から見直さざるを得なくするという方法を取ることによってイノベーションを起こすことができる。NECの例で興味深いのは、部品については改善を行い、プロセスをイノベーションし、トータルとしてはイノベーティブな製品を生み出していることである。
◆環境設定を非常識にする
非常識な設定をするのは、目標だけではなく、環境でもよい。たとえば、毎年研修を行っている企業に対して、今年は売り上げを倍にしたいと考えた。ここで、倍の人に売ろうと考えてみても、目標を達成するアイデアは出てきにくい。そこで、売り上げを倍にすることは一旦忘れて、環境に対して、ホワットイフの水平思考を使ってみる
・もし、顧客が1人しかいなかったら
・もし、顧客が100万人いたら
・もし、営業予算が無限にあったら
・もし、営業予算が1円もなかったら
・もし、研修価格が無償だったら
・もし、研修価格が現在の5倍だったら
などと、ありえない状況を設定して、考えてみる。すると、常識ではしばられないアイデアが出てくる可能性がある。もし顧客が1人だけだったら、今のプログラムでは考えられないパーソナルなサービスを導入するだろう。それを今の顧客に提供できれば、結果として売上を倍にできるかもしれない。たいへんな商品のイノベーションになる。営業予算に関する非常識な設定は売り方のイノベーションを生み出すかもしれない。研修の価格に関する非常識な設定はビジネスモデルのイノベーションを生み出すかもしれない。
◆水平思考の使い方
このような水平思考の使い方もある。
水平思考で注意すべきことは、アイデア出しのツールとしては強力に行うことができるが、そのアイデアは時として実行されないままで終わることがあることだ。水平思考により、いきないみんなの腹落ちし、膝を叩きたくなるようなアイデアはそうそう生まれてくるものではない。
非常識なアイデアによって、多くの人を動かすには納得が必要になる。松下翁のエピソードは松下翁だからみんなが従おうと考えたのではないかという節もある。NECの軽量パソコンにしてもトップダウンだった。
この議論はいいアイデアとは何かという問題でもあるし、実行の問題の問題でもあるので、その際にもう一度議論する。
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◆破壊的イノベーション
クリステンセン博士の発見した概念に破壊的イノベーションという概念がある。少し長くなるが、破壊的イノベーションについて説明しておこう。
この概念の発見のもとになったのは、ハードディスクのイノベーションだった。ハードディスクのイノベーションは、メインフレームで使われるハードディスク(14インチ)の記憶容量を上げることにあった。
そのような競争が行われている中で、新しいタイプのコンピュータが現れてきた。ミニコンピュータである。ミニコンピューターのハードディスクはより小型のもの(8インチ)が求められた。
ところが、メインフレームのハードディスクを開発しているメーカは、ミニコンピュータのハードディスクに興味を示さなかった。理由は2つある。一つは記憶容量という点でははるかに劣っているからだ。つまり、技術的に劣っているわけだ。もう一つは、これが重要なのだが、顧客(市場)のニーズがあるからだ。8インチが出てきても顧客は目をくれず、14インチの容量を大きくしてくれることを望んでいたのだ。
そうしているうちに、コンピューターの市場はミニコンピューターが中心になり、ハードディスクの出荷量もミニコンピュータ用のものが多くなってきて、技術進化も進み、ついには14インチのハードディスクを同等になってきた。そうなると、メインフレームも5インチのものを使うようになり、14インチのものは不要となった。そして、14インチをやってきたメーカは全滅した。
同じ現象が、8インチからパソコン用の5インチ、5インチから3.25インチと主流が移ったときにも起こっている。つまり、市場の声を聞く、市場の競争相手を見るだけでは競争相手のイノベーションに負けてしまうことがある。
破壊的イノベーションはコンピュータだけではなく、多くの業界で起こっている。
◆破壊的イノベーションは真の敵によって起こる
破壊的イノベーションの本質は、真の敵を見ることにある。14インチのハードディスクメーカの真の敵は14インチの競合ではなく、8インチのメーカだったわけだ。
ハードディスクの例は、同じハードディスクなのだかえって分かりにくいかもしれないが、たとえば、電話事業を崩壊させたのは電話事業者が格下だと思っていたスカイプのようなインターネットだった。この破壊的イノベーションはまだまだ、いろいろな情報通信の分野で続くだろう。
真の顧客という言葉が誰かを考えよという言葉があるが、破壊的イノベーションは顧客のニーズによって生まれるものではないので、真の顧客のニーズを考えることはハードディスクの事例のようにマイナスになる可能性もある。
イノベーションで必要なのは、真の顧客ではなく、「真の敵」を考えてみることだ。
ほぼ、すみわけができていた電話のキャリアとにって真の敵は有線の電話キャリアではないことは明らかだし、実は携帯電話キャリアでもない。実際には携帯電話を固定電話のキャリアが始めてしまったのでどうなったか分からないが、携帯電話であれば有線電話のアークテクチャーを工夫すればもっと安い価格に提供でき、十分に戦えたと思える。本当の敵は、インターネットだった。
今のところ、日本では電話キャリアはイノベーションできず、土管屋になっていて、イノベーションはこれから、次の敵は誰かを探して、そこに勝ているようにイノベーションするのだろう。
◆真の敵をみつけるには
では、真の敵を見つけるにはどうすればよいか。自分たちのビジネスやビジネスモデルが破壊されるシナリオを書いてみることだ。電話の例でいえば、インターネットが普及し、メディア技術などが進んでくれば、スカイプのようなサービスが出てくることは可能性の高いシナリオとして描けるはずだ。
二つ目は、チームでビジネスゲームをやってみるとよい。イノベーションチームと敵の2つに分け、戦略を決め、戦略行動を実際にゲームでシミュレーションしてみる。そのときに、イノベーションチームが負ければ、そのようなビジネス行動を取る可能性がある企業が真の敵で、その企業を想定して、戦略行動を考えればよい。
イノベーションで斬新なアイデアを出したのにうまく行かないことがあるのは、実はそのアイデアを実現していったときに真の敵がいないからであることが多い。究極の競争戦略は競争をしないことであるという言葉があるが、いまそのような分野は非常に珍しいのではないかと思う。むしろ、異分野からアプローチが脅威になることが多い。そのような市場をうまく利用すると、破壊的イノベーションを起こせる可能性が高くなるだろう。
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素人のように考え、玄人として実行する
(金出武雄、カーネギーメロン大学ワイタカー記念全学教授)
【成分】
◆プロフェッショナルはできるかどうかを判断する?!
◆本当のプロフェッショナルは、素人発想、玄人実行
◆玄人思考ではイノベーションが起こらない
◆実現可能性ではなく、価値を考えた例
【効用】
・PM体質改善
創造力アップ、顧客感度アップ、問題解決能力向上、
・PM力向上
プロ意識の向上
・トラブル緩和
モチベーション向上、チームの士気向上
このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。
【解説】
僕は若いときからプロフェッショナル志向があり、プロフェッショナルとして尊敬する人の一人が金出武雄先生です。
金出先生はカーネギーメロンのロボティックスの研究者でしたが、彼を有名にしたのが2001年のスーパーボウルにおいて、スタジアム上にグラウンドを取り囲むように設置した30台のテレビカメラのパン・チルト・ズームを同期して制御、撮影する映像エフェクト技術(Eye Vision)を開発し、CBSの全米テレビ中継で採用されたことです。
この時期に出版されたのが、今回タイトルをサプリに取り上げた「素人のように考え、玄人として実行する」という本です。映像エフェクト技術の発想は、テレビ技術には素人の発想ですが、それをロボティックスの玄人が実現したというわけです。
日本の社会では、玄人は考えることが重視される傾向があります。これがいいか悪いかというのは微妙なところで、キャッチアップにおいては合理性があるように思えます。しかし、いまの時代のようにイノベーションが求められる時代には明らかに逆です。金出先生の指摘されるように玄人では思いつかないようなことを思い込みのない素人が考える。そして、それを技術やマーケティングの玄人が何とかして実現する。
これができない限り、イノベーションはできないからです。
そんな問題意識で書いたサプリです。
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有限会社エム・アンド・ティの好川哲人です。
2月から「戦略実行プロフェッショナル」メールマガジンは誌面を変更し、「イノベーション・イニシアチブ」として配信をしていきます。コンセプトは
イノベーティブ・リーダーのためのメールマガジン
です。
このコンセプトには、読者の方に、世の中を変革するリーダー、イノベーションを引き起こすリーダー、革新的なスタイルのリーダーを目指してほしいと言う想いがあります。
ここ数年、戦略実行の中でもイノベーションへの関心が高まってきました。戦略実行プロフェッショナルでも、ミドルマネジャーを念頭におき、
・イノベーションを生み出すマネジメント(イノベーションマネジメント)
・プロジェティスタ養成講座(変革型ミドルの仕事術)
という2つの連載をしていますが、これらをさらに充実させ、また、他の視点からイノベーションについても話題を取り上げたいと思っています。
好川の個人的なコミットメントについても書いておきます。
さらに、これまでPM養成マガジンを中心にしてきましたが、10周年で一区切りついたので、今後は「イノベーション・イニシアチブ」を中心に、情報提供をしていきたいと考えています。また、メールマガジンの延長線上でイノベーションに関する研究会などいろいろな活動をしていこうと思います。
実はこの何年か、PM養成マガジンではイノベーションを意識してプロジェクトマネジメントを語っています。このため、オペレーションマネジメントとしてプロジェクトマネジメントをとらえている人との間に認識の違いが生じてきている感があり、ここを整理したいと思っています。つまり、
PM養成マガジン=オペレーションマネジメントとしてのプロジェクトマネジメント
イノベーション・イニシアチブ=イノベーションマネジメントとしてのプロジェクトマネジメント
を基本路線にしていくつもりです。
また、PMO関連の情報についても、同様な整理をします。オペレーショナルなPMOの情報はPM養成マガジンで配信し、イノベーション・イニシアチブでは経営企画としてのPMOという位置づけでPMOをとらえたいと思っています。戦略実行プロフェッショナルの前身はPMOマガジンだったのでこの変更はかなり大きな変更になります。
ということで、久しぶりに燃えていますので、ご期待ください!
なお、配信周期ですが、2月~3月は慣らし運転で週1回、月曜日の配信とします。4月から週2回の配信にする予定です。
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持論の概要紹介の第3回として、9名の持論の概要を紹介する。今回で最終回になる。番号は前2回(18名)からの通し番号になっている。(イタリックは持論からの抜粋部分
<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その1)
<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その2)
持論の読み方については、第1回の記事を参考にしてほしい。
・「何のために」その役割が必要かを伝えること!
・役割を通して何を「どのように」実施して欲しいかを伝えること!
・プロジェクトを通して「伝え続けること」
が大切である。
【20】高島徹「プロジェクトの成功は、環境作りから」
高島さんは、プロジェクトリーダーの立場というより、コンサルタントとしてプロジェクトに関わる立場から、
プロジェクトリーダーが仕事をしやすい環境を整えることが大切
という持論を持たれている。
そして、そのための具体的な活動として、
・ステークホルダー間での意識合わせをきちんと行う。
プロジェクトがスタートしたあとは、プロジェクトリーダーの悩みを聞き、障害を排除し、話し合いを円滑にすすめる。
・プロジェクトリーダーにすべてお任せ!ではなく、動きやすいようにサポートをしてあげること。
の2点を挙げている。
【21】中村耕治「自分の経験から考えたプロジェクト成功のための一文」
中村耕治さんの持論は
明確な目標と期限を掲げ、メンバーやメンターと意見を交わしあい、プロジェクトの成功を信じて明るく突き進む
というものだ。この持論にたどりついたのは、リーダーとしてプロジェクトがうまくいったときには、
・目標がわかりやすくメンバーの賛同を得ることができた
・メンバーのモチベーションの維持や向上に努めた
・適切なアドバイザー(メンター)の確保した
・先延ばしできない明確な期限を設定したを封じ込めた
・メンバーの精神面のケアを心がけた
・自分がプロジェクトの成功を信じていた
といった行動をしていたという経験によるものだ。
【22】中村文彦「プロジェクトの目的を対話により共鳴化すべし」
中村文彦さんの持論は
プロジェクトからより高い価値やwin-win関係を生み出すには、関係者がプロジェクトの目的を深く理解し、共有化を越えた共鳴化を生み出すことが必要
というものである。そのために、中村さんは
・プロジェクトの立ち上げ時等に、目的について対話により話し合う「場」を設ける。
・この場には、できるだけ多くのステークホルダーが参加する。
・共有したプロジェクトの目的は、文面や図、絵等で表出化し、プロジェクトの進行中も常に確認する。
・利害関係に対立が発生した際は、この表出化された目的に立ち戻って、できるかぎりwin-winになるような解決策を創造する。
といった取り組みが必要だとしている。
【23】西智明「コミュニケーションを実践、促進、管理せよ」
西さんは、
コミュニケーションを実践、促進、管理せよ
という持論を持たれている。
そのために、
・「フランクな関係"も"築く」
それぞれの性格、特性や、私がいつも重要視するのは「ひととなり」をしっかり把握すること
・「定期的に一同に会する」
日次や週次などの定例会議は「コミュニケーションを実践、促進、管理」する
ために活用できる。
が重要だと述べている。
【24】帆足秀樹「そのプロジェクトに惚れられるか、否か」
帆足さんは、プロジェクトを成功させるには、
このプロジェクトに惚れてもらえるかどうかが鍵
だと考えている。そのためには、
・プロジェクトを自分の色に染める
・次に自分がマネージャーでなければならない理由は何かを考える
・プロジェクトにメンバーが何人確保できるか
の3つが重要であると述べている。
【25】矢野喜樹「ステークホルダーの力を結集するために」
矢野さんは、
プロジェクトの目標が明確であり、上位層/プロジェクトメンバー含めて共有されていなければならない。
という持論を持っている。
そして、そのためには
・組織の目標とも整合できるプロジェクト目標を設定する。
・組織の上位層の合意を取り付け、物理的・精神的なサポートを受ける体制を構築する。
・プロジェクトリーダー自らが目標に向けてコミットし(まず自分が納得していること)、メンバーにその意義を深く理解させる。
が必要だと考えている。
【26】山田篤「ヒトの観点から捉えたプロジェクトマネジメント」
山田さんは、
成果を出すためには、選ばれたプロジェクトメンバーの人心を掌握することが何にも増して重要である
と考えている。そして、その観点から3つのポイントを持論として述べている。
・「納得感」と「コミットメント」
プロジェクトメンバーの納得感・当事者意識を尊重することが重要である。
・「モチベーションの維持」と「賞賛」
プロジェクト成功のためには、メンバーの当初の高いモチベーションを維持・向上させることが重要である。
・「信頼関係」と「権限移譲」
協力してプロジェクト目標を達成するためには、プロジェクトマネージャーとプロジェクト構成員との間の信頼関係を築き上げることが重要である
【27】羽生悦朗「PMに期待するもの:大前提は?」
羽生さんは、今回の参加者の中では異色の存在で、「見せる保育」ではなく「見える保育」というコンセプトの保育に取り組んでいる。持論は、「プロジェクトの持ち方に対する考え」という視点から、持論を述べている。その持論は
結果、メンバーのスキルが上がれば成功
というものだ。
余談になるが、羽生さんの主張は
見せる保育(真の顧客というより保護者という顧客の満足度を高める保育)に走っている保育では、テレビ映りの良い状況・保護者に喜ばれる状況を見せるために、子どもの心を無視して、教える、教え込む、反復練習、訓練することに走りがちだが、子どもの心に寄り添い、子どもの思いを類推しながら、その場にあった対応と私の思いを返していく見える保育をしていくべき
だというものだが、これは子どもだけではなく、プロジェクトマネジャーの育成にとっても非常に示唆に富む指摘のように思う。
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持論の概要紹介の第2回として、9名の持論の概要を紹介する。番号は前回(9名)からの通し番号になっている。(イタリックは持論からの抜粋部分)
持論の読み方については、第1回の記事を参考にしてほしい。
<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その1)
http://people.weblogs.jp/ppf/2013/01/jiron1.html
・相手方が視覚的に理解しやすいビヘイビアやボディランゲージを身につけよう
・同じことを伝えるにも、複数のソースを使って、相手の複数の要人にアピールしよう
・決定事項に対する変更は、日本では罪悪感を伴うものだが、海外ジョブではそうでもないことがある。思い切って”現地仕様”のやり方に合わせてみよう
・出来るだけ日頃からの顔合わせにより同一目線で対峙し、協働意識を醸成しよう
・問題には必ず解(解決策)があると信じよう
・言葉のハンディは真の障壁ではない、意図を伝えることに注力しよう
・プラントエンジニアリング業の場合、できる限り顧客の施工事例、即ち現地のプラント実績を見学させてもらおう
【16】柴田浩太郎「予測し、決断し、人を動かす」
柴田浩太郎さんの持論は、
プロジェクトマネジャーは「予測し、決断し、人を動かす」のが仕事である。
というものだ。「予測する」とは
まず、現状を把握する。次に、目的、目標、ゴールを把握する。そして、予測する。
ことだ。次に、決断。決断とは、
五分五分だったり、大多数が反対する判断
である。どんな状況でも、理性的な判断が行えるには、普段から判断の拠り所を持つことが一番だ。最後は、人を動かす。人を動かすには、
まずは、とことん自分の無力さを認識し、人を動かすことの重要性に気づくこと。そして、人が動くツボをおさえ、環境をつくり、人の弱さを理解すること
だ。
【17】白井和成「人間力によるプロジェクトマネジメント」
白井和成さんは、プロジェクトマネジャーがなさなくてはならないことは、チームやメンバーを
・メンバー全員が「出来る」と信じ(あきらめない)
・一人一人がモチベーションを高く保ち(仕事を楽しむ)
・自発的に、自分の分担エリアを広げ(好奇心を持つ)
・「自分のプロジェクトなんだ」という意識を持って(一人一人がリーダーシップを発揮)
の4つの状態にすることだという。そのためには、
「リーダー自身の人間力を向上させる」
ことが唯一の方法だと述べている。
【18】鈴木達也「常に誰と何を「握る」か、を意識せよ。」
鈴木達也さんは、火消しプロジェクトで悪化を最小限におさめるには、プロジェクトマネジャーが、「いい意味で「臆病」」で、
・顧客が最優先と認識しているのはなにか。
・最優先事項を決めるステークホルダーはだれなのか。
・プロジェクトの方向性を決めるのは誰か
・キーとなるメンバーの性格と考え方を掴むにはどうすればいいのか
を意識することが重要であるという。
そして、これらを意識した上で、
誰と何を「握る」のかという視点は非常に重要
であるという持論を持っている。
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顧客に感動を、驚きを連続して発信したければ、お客との対話は適当にして、お客の戯言から発想する、自らのインスピレーションに磨きをかけることに徹底して熱中した方がよい
(古我知史、ベンチャーキャピタリスト)
【成分】
◆顧客と話せば分かるという思考停止
◆最低限のレベル
◆顧客が感謝する
◆ワンランク上の対応はインスピレーションによりもたらされる
◆顧客の期待に応える
【効用】
・PM体質改善
アカウンタビリティ向上、顧客感度アップ、顧客説得力アップ、
・PM力向上
プロ意識の向上、実行力向上
・トラブル緩和
モチベーション向上
このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。
【解説】
「顧客は自分が欲しいものを知らない」、このこと自体、意見が分かれるところだと思いますが、百歩譲って、もし、そうだとすれば、提供者はどのように顧客に商品やサービスを提供すればよいのでしょうか?
ITを始め、どの分野でも顧客の要求にどのように応えるのかにやっきになっています。その先に、継続的な取引、抱え込みといった図式を見ているわけですが、これは逆ではないかと思います。顧客の要求に応えているだけでは抱え込めない。
前提として問題がなければ取引は続くと考えていますが、そもそも、これが間違っています。顧客の立場になって考えてみるとすぐにわかりますが、コンシューマーであればそもそも気まぐれです。今使っている商品がすごく気に入っているのですが壊れたので買い換えることにしました。その後継機種を買うとは限りません。
生産財であれば、失敗したくないという気持ちが強く働きますので、自分たちが出した要求をうまく実現してくれれば、もう一度、二度、付き合ってみようかと思うかもしれません。が、ある日、別の商品を使えば、別のベンダーに頼めば、もっと自分たちのビジネスを発展させることができるのではないかと思うわけです。
この議論は主導権の問題で、主導権を顧客側が持っている限り、ベンダーやメーカーはいつ切り捨てられてもおかしくありません。逆にいえば、顧客に対する主導権を持てば継続的な取引が可能になる。そのためには、顧客の要求を超え、驚きを与えることです。これが期待に応えるということです。
今回のサプリはこんな問題意識で書いてみました。
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メールマガジン「戦略実行プロフェッショナル」の誌面刷新をします。戦略実行を中心にしたメールマガジンであることに変わりはありませんが、イノベーションとプロジェクト、そしてプログラムマネジメントに焦点を当てたいと思っています。
これに伴い、メルマガタイトルも「イノベーション・イニシアチブ」に変更します。イニシアチブというのは、「取組み」という意味です。
PM養成マガジンはプロジェクトマネジメントに焦点を当てているので、「プロジェクト」そのものにはあまり言及していません。こちらのメルマガでは、「プロジェクト論」のようなものもやりたいと思っています。
また、PMOについては「プログラムマネジメントオフィス」に的を絞った議論をしたいと思っています。
まずは名前の変更から、そして徐々に内容を変え、4月には完全に変わった姿をお見せするようにしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
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◆はじめに
前回報告したように、PM養成マガジン10周年記念として行ってきた「持論アクティビティ」では持論の作成も終わり、最後のまとめとして持論集を作っているところである(報告後に一編増えたので、27名の方の持論が採録された冊子になる予定)。
PM養成マガジンでは、作成された持論の紹介をしていきたいと思っているが、すべての持論を掲載することは難しいので、まずすべての持論について概要を何回かに分けて紹介しておこう。そののちに、実際の持論を紹介していく予定である。
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若者、バカ者、よそ者を目指そう(真壁昭夫、信州大学教授)
【成分】
◆イノベーションを阻害するもの
◆「若者、バカ者、よそ者」が突破する
◆イノベーションといってもすべて新しいわけではない
◆イノベーションリーダーのジレンマ
◆立場を利用する
◆新しいアイデアを古い袋に入れる
【効用】
・PM体質改善
PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
モチベーション向上、チームの士気向上
このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。
【解説】
イノベーションの掛け声は増えていますが、実際にイノベーションに取り組むとなると、さまざまな問題が立ちはだかるようです。業務的には通常業務が忙しくて時間がないという問題があります。これに対しては3Mやグーグルを模した強制的に通常業務以外の業務を行わなくてはならない時間を作るという方法に普及の兆しが見られます。
ところが、そんな時間をとってもいいテーマが出てくるかというと、ここに高い壁が立ちはだかります。よく創造性について言われますが、それ以前の問題として創造性の発揮を阻害しているものがあります。それが、過去の経験とか、価値感とか、しがらみです。
これらを乗り越える方法として、「若者、バカ者、よそ者」になりきるという方法があります。
ただし、たとえば、若者がやるからうまく行くといったものではありません。話はもっと複雑です。イノベーションリーダーには、社内の信用を欠かすことができないからです。そんな問題意識で書いたサプリです。
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顧客価値を提供するなら、顧客価値で値付けせよ
(好川哲人、ビジネスプロデューサー)
【成分】
◆価値と原価
◆価格の透明性とは何か
◆一貫性は必要か
◆なぜ、顧客価値で考えないのか
◆顧客価値=提供価値の前提
◆生産財の顧客価値は顧客次第で決まる
◆顧客価値を推定するには
【効用】
・PM体質改善
アカウンタビリティ向上、顧客感度アップ、顧客説得力アップ、
バランス感覚の洗練
・PM力向上
プロ意識の向上、実行力向上
・トラブル緩和
モチベーション向上
このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。
【解説】
今年最後のサプリになりますので、今回は人の言葉を借りて語るスタイルではなく、自分の言葉で語ってみたいと思います。テーマは、顧客価値です。この数年、価値に注目が集まるようになっています。価値定義と価値実現を意識したマネジメントを行う組織が増えています。
しかし、価値をしばしば、提供側から見た価値だと考えている気配があります。もう少し、正確にいえば自分たちが提供するものの価値を顧客の価値だと置き換えているケースが珍しくありません。
折角価値という考えを導入しても、このような捉え方をしているとビジネスは変わりませんし、基本的に価格は原価+αで、だんだん縮退していきます。また、顧客に価値提供をするということ自体が難しくなります。
このような問題に対して、顧客価値を正面からとらえ、成果物ではなく、売値に反映させることによってすべてが解決する思われます。そんな問題意識で書いたサプリです。