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前回のコラムでは、プロジェクトモニタリングという観点から、プロジェクトマネジメント活動やプロジェクト支援活動を整理してみた。コラムでは、できるだけ手法に入らないようにしているが、読者の方からプロジェクト監査のイメージがよく分からないので、教えて欲しいというメールを戴いたので、イメージを説明するために、少しだけ、具体的な内容に踏み込んでみよう。
◆プロジェクト監査の種類
まず、一口にプロジェクト監査といっても、目的やタイミングに応じていくつかの種類に分かれる。もちろん、目的が違うのでタイミングが違うという見方も見ることもできる。
プロジェクト監査を大きく分けると、プロジェクトマネジメントやプロジェクトの監査を一義的とするものと、周辺状況からこれらに対する分析を加えるものの2種類がある。前者はプライマリー監査、後者はセカンダリー監査などといわれることがある。
プライマリー監査には
・プロジェクトマネジメント監査(プロジェクトの任意のマネジメントプロセス)
・プロジェクトパフォーマンス監査(実行・統制プロセス)
・プレプロジェクト監査(計画プロセス)
・ポストプロジェクト監査(終結プロセス)
・プロジェクトマネジメントメソドロジーレビュー
などがある。()内が一般的な実施タイミングである。プロジェクトマネジメントレビューは特にこの時期というのはないが、マネジメント手法の評価は結果に依存する部分が大きいことを考えると、終結プロセスで行うのが妥当だろう。
◆プロジェクトマネジメント監査の実際
まず、最初にイメージを掴んでもらうために、プロジェクトマネジメント監査についてPMstyleの内容の一部を例示する。
プロジェクトマネジメント監査のレビューの対象としては、
1.プロジェクトマネジメントの効果を生み出せるプロジェクト作業計画と支援計画
2.プロジェクト作業計画と支援計画策定の有効性
3.プロジェクト資源管理と作業成果の監視
4.ベンダー管理と作業成果の監視
5.顧客に対する契約上の義務の実行
などを設定している。これに対して、監査視点を設定しておき、その視点から監査を実施するという方法をとっている。例えば、2.の「プロジェクト作業計画と支援計画策定の有効性」という対象であれば、
(1)適用可能な計画に従ってプロジェクト作業が完遂しているか
(2)作業計画に対してプロジェクト実績のトラッキングが示されているか
(3)作業計画の変化の見極めと対応がタイムリーに行われているか
(4)計画変更に当たっては承認された手続きが使われているか
といった監査視点が設定されている。
◆監査視点のボリューム
ちなみに、PMstyleでは、
・プロジェクトマネジメント監査(7対象22視点)
・プロジェクトパフォーマンス監査(5対象19視点)
・プレプロジェクト監査(6対象25視点)
・ポストプロジェクト監査(3対象12視点)
・プロジェクトマネジメントメソドロジーレビュー(3対象11視点)
が設定されている。
◆セカンダリー監査の種類
これ以外にセカンダリー監査がある。セカンダリー監査としてPMstyleが行っているものには
・顧客満足度監査
顧客が望む目的がどの程度達成されているかをレビューすることにより、顧客とのビジネスリレーションシップを検査
・プロジェクトリカバリー監査
プロジェクトマネジメント監査とプロジェクトパフォーマンス監査であるが、不適合度に監査焦点を置いた検査を行う
・プロジェクト支援計画監査
個々のプロジェクトに対して、事前に策定されたプロジェクト支援計画をレビューする
・プロジェクトリソース活用監査
リソース配置の充足度を、特定のタスクに対する配置実行のタイムリーさの観点を中心に検査する
・プロジェクトチームパフォーマンス監査
プロジェクトチームメンバーに対して、プロジェクト作業の担当と、技術的能力、専門能力の整合をレビューする
・ベンダー監査
ベンダーやコントラクターが適正なプロジェクトマネジメントを行っているかをレビューする。検査は、プロジェクトにおけるプロジェクトマネジメント監査と同じ視点で行う。
などがある。これらはいずれも、必要に応じて、PMOが中心になって行うことが現実的であるが、プロジェクト支援計画監査については、PMO自身の問題になるのでPMOが指揮をして、第3者の監査人を立てて行う方がよいだろう。
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