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6月8日に
という記事を書いた。この続き。
ぼくが仕組み作りの相談を受けるような企業はプロジェクトが、そうそう、うまく行くとは誰も思っていない。ところが、この現実に対する組織(マネジメント)の反応は微妙な温度差がある。
典型的な反応は、
「本来、問題はあってはならない」
という反応である。たとえば、スケジュールが遅れていることを問題視する、コストがオーバーすることを問題視する。要するに見たくない、聞きたくない。だから、一時も早く、何とかしろということになる。管理はするが、マネジメントをしないマネジャーの典型的な反応である。
これで、話が収まればよいのだが、残念ながらそうはならない。
問題があることを心情的に認めない。だから、根本的な対応を嫌がる。とりあえず、応急処置で問題を見えなくする。スケジュールが遅れれば、どの作業が遅れているかを分析し、人を投入する、スコープが膨らめば、どのくらい必要かを分析し、予算を増やすように努力する。つまり、現象を分析し、応急処置をする。これがマネジャーの仕事だと思っている。
ここまででも十分な考え違いだが、もっとまずいことがある。問題など見たくもないので、とりあえず、応急処置をすれば、その問題は片付いたとことにする。フォローすらしない。
この影響は他にも出てくる。プロジェクトマネジャーがマネジャーに報告しても、いい顔をされない。じゃあ、報告しないでおこうとなる。すると、プロジェクトマネジャー自身も問題はないと思いたくなる。リーダーの報告に耳を傾けない。なにか言ってきたら、リーダーなんだから責任を持って解決をしてくれと逃げてしまう。この構図がプロジェクトマネジャーからリーダー、リーダーからメンバーと下達され、結局、実作業をしているメンバーが全てのしわ寄せを受ける。
こうなると最悪である。
これに対して、少数派ではあるが、プロジェクトには問題があるものだと思っている組織もある。問題を解決しながら、目標を達成するのがプロジェクトであると思っている。このように考える組織やマネジャーは決して応急処置をしない。スケジュールが遅れれば、現象の分析に留まらず、その原因を考える。そして、原因に対して可能な限りの手を打とうとする。
この2つの対応は初期段階ではたいした違いはない。ものの見方、考え方程度の違いかもしれない。実際に、問題に対して、応急処置と根本原因の解決策はあまり変わらない場合も多い。しかし、結果が大きく違う。
ものの見方、考え方が違うから結果に大きな違いがでてくるのだと考えるべきだろう。
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