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プロジェクトマネジャーはプロジェクトマネジャーである前に、ビジネスの目標、経営者や事業マネジャーの役割、マーケティングなどを十分に理解した「ビジネスマン」であるべきだ。
メルマガの創刊以来、プロジェクトマネジャーに対して、ずっと言い続けてきたことだ。最近、気になりだしたのは、プロジェクトマネジャーとしてはプロフェッショナルな人が増えてきた反面、ビジネスマンとしての自覚がある人が少なくなってきたことだ。
先日、ある中堅企業の経営者の4年ぶりくらいにあった。5~6年前にプロジェクトマネジメント導入のコンサルティングをやった企業の経営者である。
コンサルティングをした当時は、プロジェクトの遅延率が下がり、効果があったと喜んでいた。ところが、この2年くらい、決められていることをやればいいんだろという態度が目につくようになってきたという。
特に困っているのが、決められたとおりにやるとマネジメントコストがかかるのは当たり前だということを平然という人が増えてきたことと、プロジェクトの予算や納期が、無理なものはプロジェクトマネジャーを引き受けたがらない人が目立つようになってきたそうだ。
前者で一番困っているのが、厳しい納期でも、計画期間の必要性を訴える人が増えてきたこと、後者では技術的な新規制の高いプロジェクトは管理が大変だとみんなが逃げ腰で、結果としてうまく行かないことが増えたことだという。
常々、感じていることだが、エンジニア感覚でプロジェクトマネジャーをやる人がどんどん、増えている。プロジェクトマネジメントのスキルを身に付けることによってエンジニアリング業務がスムーズに進むという点においては、一定の評価はできるし、シニアなエンジニアを目指す人には不可欠なスキルだともいえよう。
しかし、エンジニアとしていくらプロジェクトマネジメントスキルを身につけたところで本物のプロジェクトマネジャーにはなれない。エンジニアも本来は、エンジニアである前にビジネスマンであるべきだと思っているが、百歩譲ってそうではないとしても、プロジェクトマネジャーは必ず、ビジネスマンでなくてはならない。
ここに大きなハードルがある。このハードルを越えた人だけが「できる」プロジェクトマネジャーになれる。PMBOKブームはこのハードルを乗り越えられないプロジェクトマネジャーを大量生産しているが悪いことではない。ここから、仮に1割でもハードルを乗り越える人材が出てくれば大成功だといえよう。
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