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品質管理の強化だけではなく、品質リスクに関する管理を強化する必要性が高まっている (遠藤功、早稲田大学ビジネススクール教授)
【成分】
◆見える不良と見えない不良
◆デービット・アーカーの知覚品質
◆品質管理と品質リスク管理は別
◆動かないコンピュータは「見えない不良」の問題
◆見えない不良に対応できる作り込み能力を如何に構築するか
【解説】
PMサプリは、あまり(マネジメント)技術の話題を取り上げないのですが、今回は珍しく、品質管理の話題です。
企業で品質管理やプロジェクトマネジメントのコンサルをしていると、品質管理は「ガラパゴス」化しているのではないかと思うことがよくあります。出荷前まで(以下、工程内という)の品質管理は、年々進化しています。製造だけでなく、従来、見えなかった設計の品質、さらには要求の品質までも見える化し、その向上ができるような作り込みの能力が向上しています。
ところが、世間的には、メイドインジャパンの品質が下がったというイメージを持っている人が少なくありません。いくつか理由はあると思われますが、中でも大きいのは、工程内ではコントロールできない品質の問題が起こっていることでしょう。
たとえば、トヨタの自動車のブレーキがきかないといって大騒ぎになりました。結果はシロだったわけですが、「品質とは、顧客満足である」というスタンスに立つ場合、一見落着というわけにはいきません。むしろ、今行っている品質管理の限界が浮き彫りになったと考えるべきでしょう。
工程内で品質をいくら見える化しても、そのときに起こっていない品質問題は解消しません。トヨタ問題のときに、生産管理の責任者が、
「お客様の感覚と車両の挙動が少しズレていることによって、お客様が違和感を感じられると認識しておりました」
と発言しました。この発言は大失敗だと思いますが、それ以上に重要なことは、この問題は工程内では発生していない不良なのです。もっと正確にいえば、発生する可能性があるとしかいえない不良なのです。
僕たちは、この種の問題に対して、知覚品質という考え方を導入して、知覚品質を上げていく取り組みを提案しています。ある意味で、ポジティブアプローチです。この問題に対するネガティブアプローチは品質リスクの管理です。つまり、品質を損なうリスクを管理していくことです。
いずれにしても、従来の工程内だけで品質管理は完結することはもうあり得ないことだと思われます。その意味で、現場が一生懸命、工程内品質を上げると同時に、全社をあげて工程外の品質を向上させる取り組みが不可欠な時期に来ています。
これはプロジェクトマネジメントというよりは、プログラムマネジメントの問題ですが、いずれにしても早急な取り組みが不可欠です。
そのような思いで書いたサプリです。
【効用】
・PM体質改善
顧客感度アップ、顧客説得力アップ、バランス感覚の洗練、リスク管理力、
アップ問題解決能力向上
・PM力向上
プロ意識の向上
・トラブル緩和
モチベーション向上
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