【補助線】ＰＭ１.０とＰＭ２.０との違い

本ブログは移転しました。こちらをご覧ください。

プロジェクトの区分はさまざまな方法があるが、プロジェクトマネジメントを考慮したときに、

・ゴール（目標）
・ソリューション（目標達成方法）

に注目して整理すると分かり易い。

つまり、プロジェクトの目標（ゴール）が明確かどうか、および、目標の達成方法（ソリューション）が明確かの２軸でプロジェクトを区分するわけだ。

このように区分すると、図のような４つの領域が出てくるが、それぞれ、図に示すような呼び方をされることが多い。

ゴールもソリューションも明確なプロジェクト（Traditional）は、ＰＭＢＯＫに代表されるトラディショナルなプロジェクトマネジメントの方法が適している。

これに対して、ゴールは明確だが、ソリューションがよく分からないプロジェクト（Agile）がある。たとえば、技術的な不確実性があったりする場合だ。このような場合には、アジャイルプロジェクトマネジメントが適している。

これらはいずれもプロジェクトマネジメント１.０（ＰＭ１.０）である。

次に、ゴールが不明確な場合で、ソリューションも不明確なプロジェクト（Extreme）がある。たとえば、研究開発の初期フェーズやプロジェクトや、組織開発などのプロジェクトは手さぐりの方法で、ゴールそのものを探すのが目的に行われることが多い。

これに対して、ゴールは決まっていないが、やり方は決まっているようなプロジェクト（Emertxe）もある。たとえば、調査やコンサルティングのプロジェクトは、進め方は決まっているが、ゴールは、目的実現の程度（効果）や投資を見ながら、実行中に決めていくようなケースが少なくない。

ゴールを決めていても、実際にやってみて、ゴールを修正するようなケースは基本的にこのケースだと考えてよい。これを入れると、かなりのプロジェクトはこのタイプに分類できる。

戦略実行でも、ヘンリー・ミンツバーグのいう創発型戦略の実行、つまり、クラフト型の戦略実行においてはこのような形態がとられることが多い。

このようにゴールが明確に決まっていないプロジェクトに対するプロジェクトマネジメントでは、プロジェクトがゴールを決めなくてはならない。あるいは、加えてソリューションも決めなくてはならない。

このようなプロジェクトマネジメントをＰＭ２.０と呼ぶ。