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みんなの夢がかなうシナリオをつくる(川口淳一郎、「はやぶさ」プロジェクトマネジャー)
【成分】
◆夢を種として議論し、スパイスを入れ、全体をかき混ぜる
◆受託業務に夢は不要か
◆ベストパフォーマンスを引き出す
◆顧客の潜在ニーズを引き出すための「種」
【効用】
・PM体質改善
PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
モチベーション向上
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【解説】
SSM(ソフトシステム方法論)というシステム思考の手法があります。プロジェクトマネジメントではプロジェクトを立ち上げるときのステークホルダの利害 調整などに使われる手法で、欧州では当たり前のように使われている手法ですが、日本ではほとんと使われているのをみたことがありません。
「やはぶさ」のプロジェクトマネジャー川口淳一郎さんの書かれた本を読んでいると、SSMとは言われていませんが、「はやぶさ」プロジェクトの定義はSSM的な手法が使われています。
「はやぶさ」はプロジェクトの立ち上げにおいて、ステークホルダの想いを集約することがどれだけ重要かを示す格好の事例です。ステークホルダの想いが集約されていたからこそ、絶望的な状況から、帰還を果たしたといっても過言ではないでしょう。
ビジネスのプロジェクトにおいてもこの点は同じです。プロジェクトの定義を顧客や上位組織に押し付けられているプロジェクトは、順調にいっている時は問題ありませんが、問題が発生すると実にもろいものです。ベースラインの死守など簡単にあきらめてしまいます。
ここに一つだけでもいいので、自分たちの想いが入っていれば、恐ろしく粘れるものですし、そもそも、「はやぶさ」と違って、ビジネスプロジェクトにはリス クは多々ありますが、不確実さは少ないので、リスク管理をうまくやるでしょう。(リスクと不確実性の違いはサプリ286をご覧ください)
では、なぜ、自分たちの想いをプロジェクトに入れようとしないのか。実は日本のプロジェクトの最大の問題点である多様性のなさがあるのではないかと思います。顧客がこうだといえば、そこだけのフォーカスしてものを考える、上位組織がそうだといえば、そこにフォーカスする。
この問題をもう一段掘り下げていくと、概念レベルの思考のできなさに行きつきます。顧客や上位組織の「指示」はそんなに具体的なものではないのが普通で す。概念思考スキルがあれば、それをプロジェクトが具体化して、成果物にしていくわけで、そこに付加価値が生まれる余地があります。
ところが実際には、概念的な指示を要求分析と称して、根掘り葉掘り聞き、具体的なところまで聞き出し(決めさせ)、身動きが取れなくなっていくということが起こっています。要するに、自分たちで決めればよいところを決めずに、転嫁しているわけです。
顧客や上位組織がプロジェクト以上に具体的なことを考えられずはずがありませんので、当然、彼らがいったん決めた(決めさせられた)ことはひっくり返る可 能性があるわけです。これを不確実さだと平然というプロジェクトマネジャーがいますが、不確実さでもなんでもなく、初期に回避できるリスクです。
そんな問題意識を持って書いたサプリです。
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