PM養成マガジン10周年記念セミナーも残りあと、2回となりました。第4回で少し参加者が少なかったので、気持ちを切り替えて、第5回に臨みたいと思っています。
第5回は、
10月17日19:00-21:00
の開催で、日経BPビジョナリー経営研究所の谷島宣之さんを講師に迎えて、ユーザがイニシャティブを取ってうまく行った開発事例の紹介を中心にしたスピーチをお願いしています。昨晩、谷島さんと打ち合わせを行い、後半はフューチャーセンターセッションをやることになりました。
第5回の問題意識は、2つあります。一つは、プロジェクトマネジメントに関する問題意識で、ITのプロジェクトを見ていると、あまりにも、プロジェクト体制の構築に工夫がないのではないかという問題意識です。プロジェクトの目的に適う開発体制を取っているといえるプロジェクトは本当に一握りではないかと思います。その原因になっているのが、日本のIT業界の硬直した構造にあります。
10周年セミナー全体のテーマであるセンスのよいプロジェクトマネジャーであれば、プロジェクトの目的に併せて、体制を作っていくという考え方のもと、その一つの方法としてユーザ主体のプロジェクト運用というのに着目してみたいと思います。
ユーザ主体というのはユーザ側にとってのプロジェクトの進め方というだけではなく、情報システム部門やベンダーにとっての一つのソリューションにもなり得ます。詳しくは、講師の谷島さんが昨年まとめられたこちらの本をご覧ください。
日経コンピュータ「開発・改良の切り札 システム内製を極める」、日経BP社(2011)
実は、もう一つ、問題意識があります。今の日本の企業は、ITを活用したビジネスイノベーションやビジネスモデルイノベーションはほとんど、実現できていません。ITによるビジネスモデルはグローバルなものが中心になっており、日本は乗っかるだけの状況です。この一因に、ユーザ(ビジネスプレイヤー)が自由に動けていないことがあると思われます。
この問題は上に述べましたように、産業構造の問題を含んでいます。日本のIT技術者の70%はベンダーにいます。したがって、ビジネスプレイヤーが何か仕掛けようと思った場合には、IT部分については(情報システム部門を通じて)、社外のベンダーの力を借りるしかない状況です。しかし、力を借りるにあたって、「契約」がベースになりますので、自由に仕様を変えたりすることは難しい状況にあります。
これはイノベーションを実現したい場合には致命的です。失敗を繰り返して、ゴールにたどり着くことが不可欠だからです。
逆に米国では、70%のIT技術者が一般企業に在籍しており、社内展開としてイノベーションを企てていけます。この違いが日米の差になっていると思われます。
だからといって、産業構造をすぐに変えられるわけではなく、そのような困った状況における一つの解が、「ユーザ主体」ですが、ユーザ主体も含めて、ユーザとベンダーがどのように付き合えばイノベーションをできるのかを考えていく必要があります。
このような問題意識は以前より持っていましたが、10周年記念セミナーの第1弾で、フューチャーセンターで有名な野村 恭彦さんにゲームストーミングのセミナーをお願いしたのですが、このときに、フューチャーセンターについていろいろと教えて戴き、これだと思った次第です。
今後、ユーザとベンダーの付き合い方を考えるフューチャーセンターを設置していく予定ですが、その第1歩として、今回のセミナーで体験的なフューチャーセッションのようなものをやってみたいと思っています。
ということで、ユーザ主体開発に興味がある方、ユーザとベンダーの付き合い方に興味がある方、ビジネスモデルイノベーションに興味のある方、フューチャーセッションに興味のある方、ぜひ、ご参加ください。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆開催決定☆━
【PM養成マガジン10周年記念セミナー】
第5回 ユーザ主体開発
日時:2012年10月17日(水)19:00-21:00(18:30受付開始)
場所:銀座ブロッサム中央会館(東京都中央区)
講師:谷島 宣之(やじま・のぶゆき)日経BPビジョナリー経営研究所研究員
詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/pm_magazine10_5.htm
主催 PM養成マガジン(運営:PMstyle)
2PDUを発行します。
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【カリキュラム】
19時~20時 解説・ユーザー主体開発とは何か、ユーザー主体開発の実例
20時~21時 対話(フューチャーセッションとして)
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