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プロジェクトマネジメントにどのような知識が必要かと聞くと多くの人は、
・プロジェクトマネジメントの知識
・業務(技術)の知識
の2つをあげる。最近では、さらに、ここに
・ヒューマンスキル(人間系)
・チームマネジメント
というをあげる人も増えてきた。
本当に、これだけでいいのだろうか?
これが問題提起だ。
結論を述べておこう。これだけでは足らない。いわゆるMBAの知識が必要である。それはどのようなものか?
(1)経営戦略
(2)マーケティング
(3)コスト
(4)ファイナンス
の4つがその代表である。これらの知識がないとプロジェクトマネジャーは務まらない。
もっとも、プロジェクトマネジャーをどう位置づけるかという問題もある。プロジェクトマネジャーを工場長、つまり、現場マネジメントの責任者だと位置づけるのであれば、これらはそんなに重要でないかもしれない。しかし、ビジネスのマネジャー、すなわち、経営側のマネジャーだと位置づけるのであれば、MBAの知識は不可欠である。
実は多くの企業はこの問題に明確な答えを出していない。というよりも、この問題は考えないでおこうとしているように見える。
一方で、プロジェクトマネジャーのキャリアパスというのが問題になってきている。日本でこの問題を白昼にさらけ出したのは日経コンピュータだったと思う。IBM社のキャリアパスで、プロジェクトマネジャーで突き抜ける、すなわち、役員まで昇進するキャリアパスがあるという記事を発表した。この辺りから、急にプロジェクトマネジャーのキャリアパスに関心が高まったように思う。
プロジェクトマネジャーが現場マネジャーでキャリアを終えるのであれば、それはそれで構わない。しかし、役員になる、つまり、経営側に入っていくとなると、経営の視点は不可欠なのはいうまでもない。やはり、MBA的な視点が必要になってくる。
では、MBA的視点とはどういうものか?上の4つについて、ひと言ずつ、以下に述べておく
(1)経営戦略
経営戦略の適切さが最大のプロジェクトの成功要因であることを理解する
(2)マーケティング
プロジェクト期間中、プロジェクトの成功のためにどのようなマーケティング活動が行われているかを理解する
(3)コスト
プロジェクト期間中のコストは重要であることはいうまでもないが、成果物のライフサイクルコストも同様に重要であることを理解する
(4)ファイナンス
プロジェクトが企業価値に貢献するためには何が重要であるかを理解する
といった視点を持てることが必要である。視点として書くと簡単そうにみえるが、これらはいずれもそれぞれの分野で本質的な問題である。
さらに、MBAという場合に欠かすことのできないのが、組織・人材マネジメントである。これについては、プロジェクトマネジメントプロセスの問題として定義でき、スケジューリングプロセスだけが重要なのではなく、組織行動プロセス(リーダーシップ、チームなど)の重要性をきちんと理解することが必要である。
さて、あなたはどのくらいMBA的だろうか?
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