本ブログは移転しました。こちらをご覧ください。
◆マネジメントには正解はない。
この言葉自体はだんだん浸透しているように感じることが多いが、実態はどうか?
ずっと僕が思って気になっていることがあって、この本を読んでいたら、同じことが書いてあったので、この際、虎の威を借りて、言ってみようと思う。
藤井 清孝「グローバル・マインド 超一流の思考原理―日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか」、ダイヤモンド社(2009)
ちなみに、藤井さんは最近、テレビのコメンテータなどもされているのでご存じの方が多いと思うが、マッキンゼーでコンサルタントをされたあと、ケイデンス、SAPなどいくつかの企業で社長をされた後に、ルイ・ヴィトンの日本法人のCEOをつとめられ、現在はベター・プレイスという電気自動車の電池のインフラを事業化する会社の日本法人の代表取締役である。
これで藤井さんは十分に虎になったと思うので、そろそろ、藤井さんの指摘を紹介しよう。この本で藤井さんは、日本人は正解があると正解に向けての問題解決においてすばらしい能力を発揮するが、正解がないとうまく対応できない。これがグローバル社会で成功できない理由であると指摘されている。ここまではよくある指摘。
続きを読む "【補助線】「正解への呪縛」から解き放たれる" »
本ブログは移転しました。こちらをご覧ください。
昨年末に、新しいバージョンのPMBOK(R)が出た。
日本には2万人以上のPMPがいる。一方で、未だに、「プロジェクトマネジメントの定着化」といったセミナーをやると多くの人が参加してくれる。どういうことなのだろうか?
4年に一度の機会なので、少し、いくつかの視点から論考してみたい。
◆米国組織の特性
冷泉彰彦さんという方が、
冷泉 彰彦「アメリカモデルの終焉、金融危機が暴露した虚構の労働改革」、東洋経済新報社(2009)
の中で、米国企業における成果主義の前提となっている組織の特性をいろいろと解説してくれている。この本を読んでいると日本で米国流のプロジェクトマネジメント(PMBOK)がうまく行くには、ドキュメント化vs暗黙知といった表面的な話ではなく、成果主義同様、相当な制度と価値観の変革が必要だと思い知らされる。
ヨコの軸:同じレベルの他の同僚との間で、お互いの守備範囲をどう決めているか
タテの軸:一人の社員が上下関係の中でどう位置づけられているか
時間軸:長い年月の中で評価対象期間がどういう意味を持つか
の3つの軸を設定して説明している。詳しくは本を読んで戴くとして、かいつまんで説明する。
続きを読む "【補助線】PMBOKは本当に日本に馴染むのか" »
本ブログは移転しました。こちらをご覧ください。
1.プロジェクトのミッションは何か
2.プロジェクトのステークホルダは誰か
3.ステークホルダにとっての価値は何か
4.プロジェクトにとっての成果は何か
5.プロジェクトの計画は何か
続きを読む "【補助線】プロジェクトの成功を定義するための5つの質問" »
本ブログは移転しました。こちらをご覧ください。
◆あるエクスサイズ
なかなか、貴重な体験をした。PMstyleのコミュニケーションマネジメントのセミナーを受講された方は記憶にあると思うが、X-podというレゴブロックを使って、プロジェクトマネジャーの指示で40部品くらいのロボットを組み立てるグループエクスサイズがある。
プロジェクトマネジャーが完成図や組み立て図を別の場所で見てきて、メンバーに指示を出して設計図通りのロボットを完成させるというエクスサイズで、コミュニケーションの難しさを体感すると同時に、コミュニケーションスキルを磨くことを目的に行うエクスサイズである。
エクスサイズでは、最初は何もせずに、とりあえず、取り組んでみる。すると、まず、完成できるチームはない。過去に実施した回数は三桁だが、1回目で完成したチームは一桁にとどまっている。1回目での成功理由は、「プロジェクトマネジャーが絵を描くのが早く、うまい」、「レゴフリークがたまたまチームにいた」の2つで100%である。
2回目は1回目の経験を振り返り、コミュニケーションのルールを決めたり、あるいは、チーム内のメンバーの連携の方法を決めたりして望む。すると、4グループあれば、だいたい、2~3グループは完成することができる。
先日事情があって、このエクスサイズをあるIT企業でルール変更して行った。プロジェクトマネジャーが完成図や組み立て図を見ている時間をコストに見立てて行い、途中でインストラクターが予算カットを指示するというルールを追加した。すると、おもしろいことに、2回目も1チームも完成できなかった。
4チームのうちの3チームはほぼ、完成しているのだが、微妙なところで間違っていた。振り返りで、間違った理由を聞くと、3チームとも「コストが気になって、きちんと最後の確認できなかった」ということだった。
続きを読む "【補助線】コストが品質に与える影響" »
最近のコメント