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日本人は劣等感を持っていながら、プライドの強い国民である(福田恆存、評論家)
【成分】
◆「欧米の技術や手法を信奉する」謎◆プロジェクトマネジメントにおける謎
◆P2Mではなぜダメなのか
◆劣等感があるから欧米の手法を使い、プライドがあるからテーラリングする
◆デジタル化によりビジネスモデルが行き詰まる
◆複雑なものしか作れない
【解説】
大きな企業で、マネジメントに欧米の手法をまったく採用していない企業は皆無ではないでしょうか。最近でいえば、SOXやIFRSは広く普及しつつあります。もう少し、さかのぼると、目標管理などは導入していない企業を探すのが難しいくらい普及しています。
しかし、なぜ、目標管理なのかと聞かれると、ビジョンや、人事コンサルタントやHRMツールベンダーのセールストークは言えても、自社の実情に合わせた導入の合理性を明確に説明できる企業は少ないのではないでしょうか。
このような状況は技術でも似たようなものです。欧米の新しい技術を探し出し、それを日本市場用に適応するのが仕事だと思っているR&D担当者は少なくなくありません。
このような風潮は少なくとも、高度成長の時代からずっと続いています。良いとか、悪いとかいうつもりはありません。技術でいえば、技術戦略がしっかりとしているといえるわけです。ただ、不思議なだけです。
純粋な技術の場合にはおおむねユニバーサルなので、このようなやり方はそれなりに理解できます。しかし、技術でも人の関与が大きくなる技術、すなわち、情報技術、生産技術、管理技術などになるとやはり不思議な光景ですね。
ことがマネジメントになってくると謎は一層深まっていきます。日本型経営研究の第一人者である神戸大学の加護野忠男先生が、「経営の精神~我々が捨ててしまったものは何か」という本の中で、SOXを指して、日本企業が潜在的に持つ統治能力を下げる愚策だと言われていました。まあ、ここまではっきり言って、かつ説得力があるのは加護野先生くらいしかいらっしゃらないのだと思いますが、実際に企業はSOXによってガバナンスを強化したいと本気で思っているわけではないと思割れます(現場のガバナンスは強化できるとは思っている企業が多いと思いますが)。要するに導入そのものが目的であり、グローバルな「トレンド」だから目的になるのです。
プロジェクトマネジメントもまったく同じです。現場レベルでプロジェクトがうまくいくと信じて取り組んだ企業は多いと思いますが、それ以上のことをしたいわけではありません。最近、機会をみてITの企業のプロジェクトの成功率(失敗率)の推移と事業部や企業の収益の推移をしつこく尋ねるようにしていますが、プロジェクトの成功率が右肩上がりになっている企業は結構、多いですが、収益率が顕著に上がっている企業はほとんど見あたりません。口を揃えて、「大型案件が・・・」、「リーマンショックで顧客が・・・」と言うわけですが、だからプロジェクトマネジメントなのです。目的を持ってプロジェクトマネジメントを導入していれば、おそらく、売上げは下がっても収益は上がっていると思われます。プロジェクトマネジメントの導入の理由は、結局、現場の管理とトレンドなのです。
1998年に超・ドメスティックな製造小売りメーカでPMBOKセミナーを行う機会がありました。その主催者が目的としていた「グローバルな業務におけるマネジメント」というお題に、30歳過ぎの社員(係長)が、「自分が定年までにグローバルな仕事をするとは思えない。一通り話を聞いて自社のやり方の方がような気がする。
それでもPMBOKを学ぶことは必要なのか」という質問を受けたことがあります。実はこの企業はその時点でグローバル展開の構想があり、その準備の一環としてPMBOK研修を行いました。そして、現在では、海外展開をしており、うまくいっています。ただし、商品開発管理のプロジェクト管理は自前の方法です。それを根気よく、現地に定着しているようなのです。質問された社員がなぜ、グローバルな展開をしないと思い込んでいたのかはわかりませんが、グローバル展開=PMBOKという思い込みはなかったようです。
こういう例は稀で、とりあえず、「米国ではPMBOKだ」、「世界中に30万人以上のPMPがいるんだ」というのりでとりあえず、導入います。
そしてもっと不思議なことに、それを「日本流」にしようとするのです。
今回のサプリは、この謎を解くヒントです。そして、これは結構、重要なことではないかと思います。
【効用】
・PM体質改善
自信をつける、自己統制力アップ、リーダーシップ発揮、実行力向上
・PM力向上
プロ意識の向上、ステークホルダをコントロールする力の向上
・トラブル緩和
モチベーション向上
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