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◆王様の仕立て屋
今、イタリアにはまっている。はまっている理由は秘密だが、なかなか、おもしろい国である。いろいろと本を読みあさっている中で、こういう本に出会った。
大河原遁「王様の仕立て屋」、集英社
ミラノに工房を構える織部悠という神の域に達している仕立職人が主人公のコミックス。仕立て職人として次から次に、顧客の無理難題をかなえていく一方で、ジラゾーレ社というグローバル展開をするアパレルメーカのお助け職人としても活躍する。まあ、貴族階層が残るヨーロッパならではの物語ともいえるが、学べることは多い。
織部悠が優れた職人であることの基本にあるのは、卓越した業務スキルである。店に服を仕立てに客がくる。基本的には、客の要求を聞いてデザインを決め、採寸をし、仮縫いをする。そして、それをフィッティングして、顧客の要求も聞きつつ、収束させていく。エンジニアリングでいえばプロトタイピング型のプロセスである。
ここで言うスキルとは、採寸のスキル、布の裁断のスキル、縫製のスキルなどの他に、顧客の要求を聞き出すコミュニケーションスキルである。
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