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この図の意味が分かりますか?
あなたのプロジェクトが、あなたの組織の事業にどのように貢献しているかです。
あなたのプロジェクトが、経営にどのような影響を及ぼしているかはそんなに単純ではありませんね。
プロジェクトマネジャーとしての正しい判断は、これが頭に入っていないとできないと言ってもよいでしょう。
よく、分からない人
に参加して勉強しましょう!「ひとつ上のプロマネ。」を目指して!
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この図の意味が分かりますか?
あなたのプロジェクトが、あなたの組織の事業にどのように貢献しているかです。
あなたのプロジェクトが、経営にどのような影響を及ぼしているかはそんなに単純ではありませんね。
プロジェクトマネジャーとしての正しい判断は、これが頭に入っていないとできないと言ってもよいでしょう。
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PM養成マガジンの5周年の企画で「はじめてのプロジェクトマネジメント」というセミナーを行った。
そのセミナーの1枚目のスライドが左のスライドだ。
まあ、プロジェクトガバナンスの説明を最初に持ってくるプロジェクトマネジメントセミナーなどあまりないと思うが、これをやりたかった。
ガナバンスからみて、プロジェクトマネジメント活動を、プロジェクトマネジャーの仕事、プロジェクトスポンサーの仕事、エグゼクティブの仕事、PMOの仕事と区別し、その中で、プロジェクトマネジャーの仕事だけを抽出し、説明するというセミナー。
メルマガ発刊当初のセミナーで大切なのは、プロジェクトマネジャーに求められる責任は、レスポンシビリティではなく、アカウンタビリティだと説明した。それはこの図式があるからだ。
にもかかわらず、タコツボプロジェクトに閉じこもって、アカウンタビリティを果たさないプロジェクトマネジャーは少なくない。今回、これをきちんとまとめた。
この議論を上級者向けの議論だと思わないでほしい。卑しくも、マネジメントの一端を担うものであれば、基本中の基本である。
京都が残っているので、まだ、書くのは早いかもしれないが、告知では一切触れなかったが、実はこのセミナータイトルの「はじめて」というのは、今まで、なかったプロジェクトマネジメントの見方をしようというチャレンジ。だから、メルマガ5周年としてやった。その見方で、初心者向けのセミナーを作ろうと思った。それなりにうまくできたと思っている。
ドラッカーは「マネジメントの導入はイノベーション」だと述べているが、まさに、(組織の)イノベーションとなるようなプロジェクトマネジメントを考えて行きたいと思っている。
5年間、メルマガをやって思うことは、結局、プロジェクトマネジャーがこの構図をきちんと理解できていないし、組織も(確信犯的に?)この構図を作ろうとしていない。
作った瞬間に、総論として「弊社のプロジェクトマネジメントにはいろいろと問題がある」といいながら、自分の監督する個別のプロジェクトの話になると、「あのプロジェクトから問題は聞いていない」ことにしようという、「お気楽マネジャー」ができなくなるからだ。
これから5年は、プロジェクトマネジャーが行うプロジェクトマネジメント以外に、この構図をしっかりと組織で共有できるようにすることに努力したいと思っている。プロジェクト環境のマネジメントである。その第一歩として、プロジェクトマネジャー側のすべき認識作りのセミナーがこれ。
このあと、PM養成マガジンの5周年企画は、第2弾、第3弾とやる予定だが、「プロジェクト環境のマネジメント」についてもやる。お楽しみに。
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プロジェクトマネジメントにどのような知識が必要かと聞くと多くの人は、
・プロジェクトマネジメントの知識
・業務(技術)の知識
の2つをあげる。最近では、さらに、ここに
・ヒューマンスキル(人間系)
・チームマネジメント
というをあげる人も増えてきた。
本当に、これだけでいいのだろうか?
これが問題提起だ。
結論を述べておこう。これだけでは足らない。いわゆるMBAの知識が必要である。それはどのようなものか?
(1)経営戦略
(2)マーケティング
(3)コスト
(4)ファイナンス
の4つがその代表である。これらの知識がないとプロジェクトマネジャーは務まらない。
もっとも、プロジェクトマネジャーをどう位置づけるかという問題もある。プロジェクトマネジャーを工場長、つまり、現場マネジメントの責任者だと位置づけるのであれば、これらはそんなに重要でないかもしれない。しかし、ビジネスのマネジャー、すなわち、経営側のマネジャーだと位置づけるのであれば、MBAの知識は不可欠である。
実は多くの企業はこの問題に明確な答えを出していない。というよりも、この問題は考えないでおこうとしているように見える。
一方で、プロジェクトマネジャーのキャリアパスというのが問題になってきている。日本でこの問題を白昼にさらけ出したのは日経コンピュータだったと思う。IBM社のキャリアパスで、プロジェクトマネジャーで突き抜ける、すなわち、役員まで昇進するキャリアパスがあるという記事を発表した。この辺りから、急にプロジェクトマネジャーのキャリアパスに関心が高まったように思う。
プロジェクトマネジャーが現場マネジャーでキャリアを終えるのであれば、それはそれで構わない。しかし、役員になる、つまり、経営側に入っていくとなると、経営の視点は不可欠なのはいうまでもない。やはり、MBA的な視点が必要になってくる。
では、MBA的視点とはどういうものか?上の4つについて、ひと言ずつ、以下に述べておく
(1)経営戦略
経営戦略の適切さが最大のプロジェクトの成功要因であることを理解する
(2)マーケティング
プロジェクト期間中、プロジェクトの成功のためにどのようなマーケティング活動が行われているかを理解する
(3)コスト
プロジェクト期間中のコストは重要であることはいうまでもないが、成果物のライフサイクルコストも同様に重要であることを理解する
(4)ファイナンス
プロジェクトが企業価値に貢献するためには何が重要であるかを理解する
といった視点を持てることが必要である。視点として書くと簡単そうにみえるが、これらはいずれもそれぞれの分野で本質的な問題である。
さらに、MBAという場合に欠かすことのできないのが、組織・人材マネジメントである。これについては、プロジェクトマネジメントプロセスの問題として定義でき、スケジューリングプロセスだけが重要なのではなく、組織行動プロセス(リーダーシップ、チームなど)の重要性をきちんと理解することが必要である。
さて、あなたはどのくらいMBA的だろうか?
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昨日は、第1回のPMstyleプライベートセミナーを開催した。好川と峯本さんがスピーカーを務め、
「世界の標準に見るプロジェクトのマネジメントの方向性」
というテーマで行った。このセミナーは今までにPMstyleのセミナーにきていただいた方への感謝の意味を含めて、限定的に行うセミナー。当然、メルマガなどでは告知していないので、このブログの読者でもセミナーページを見られていない方もおおいだろう。
【第1回 PMstyle Private Seminar】世界の標準に見るプロジェクトマネジメントの方向性
久しぶりにメルマガの開始当時にやっていたみんなが参加するフロアディスカッションをやった。面白かったが、その話題になったのが、Integrity(インテグリティ)。
峯本さんの話に誘発されて、フロアから、プロフェッショナルにインテグリティが必要なのは分かるが、現実にそれはどう実現するのかという質問が口火になったのだ。
僕は、持論である、日本語のボキャブラリがないものを標準として導入するのは、文化を創るに等しい仕事だという立場で意見を述べたが、実はこれを一番感じているのが、チャーターである。
名詞 charter はコウビルド英英では以下のように説明されている
A charter is a formal document describing the rights, aims, or principles of an organization or group of people.
一方で、charter に当てられる日本語「憲章」を広辞苑で引くと
重要なおきて。原則的なおきて。
と説明されている。おきてとは何かも書いていないし、重要とは何かも書いていない。
PMBOKでプロジェクト憲章というツールにはじめて出会うと、「プロジェクト憲章には何を書いたらいいのだろう」という疑問を持ち、説明を読んで、「ああ、そういうものか」と納得する。
PMBOKに書かれていることはあたかも、PMBOKで決められているように思えるが、実はこれはプロジェクトチャーターというツールというレベルで決まっているというよりも、文化、「しきたり」が charter という言霊になっているような話である。
charter という動詞は、例えば、飛行機をチャーターするとかいう使われ方をする。これは、「やとう」、「特権を許す」という意味である。権限委譲よりももっと強いイメージだ。
ついでにいえば、charter という動詞には、「許可する」という意味があり、許可書を発行するという意味でもある。つまり、 charter というのは許可書なのである。英語では、project chartering という言葉がある。プロジェクトをチャーターするのである。チャーターするためには、rights, aims, or principles of an organization をはっきりしておく必要がある。明快である。
言葉からこんなことを考えてみると、なんとなく、プロジェクトというのが組織にとってどんな位置づけのものか、感じることができるのではないだろうか?
ところが、プロジェクトチャーターをプロジェクト憲章とした瞬間に、このような言葉を構成する世界はすべて消えてしまう。だいたい、この憲章って誰が作るのかといった議論すら怪しくなっている。日本にスポンサーシップが根付かないのはこのためではないかと思っている。
マネジメントには、こういう例がたくさんある。例えば、昨日のセミナーで峯本さんが紹介したレスポンシビリティ(resopnsibility)。責任概念にはレスポンシビリティとアカウンタビリティがあるが、これは、いずれも「責任」である。言葉がないのだから、この区別をしろというのは無理な話だ。レスポンシビリティという概念がないので、コミットメントという概念もできない。
アカウンタビリティもレスポンシビリティもコミットメントもないところで、マネジメントを実行しようと思えば、プロセスにするしかない。これが、日本人にPMコンピテンシーがなかなか理解されない理由であろう。
しかし、このような壁を乗り越えて、コンピテンシーを身に付けていかない限り、本当の意味で日本人がプロジェクトマネジメントを実行する日はやってこないだろう。
壁を乗り越えずに、日本は日本のやり方で、米国のやり方とインタフェースをとっていくという方法もある。欧州PM協会のICBなどがやっている方法だ。
トヨタが米国文化の象徴のひとつともいえる自動車で世界一の企業になった。単に世界一になっただけでも凄いが、もっと凄いのは自分たちのマネジメントのやり方を世界中に普及して現地生産拠点を増やし、世界一になった。これは素晴らしいことだ。
なんどかTVでその方法をみたが、非常に地道なトレーニングをしている。インストラクタ(トヨタウェイのエバンジェリスト)が公私につき、模擬のラインを作ってスキルアップを図ると同時に、その考え方を丁寧に教えていく。「私」の部分でも、「トヨタマン」としての振舞い方を教える。まさに、人材育成の部分でもコツコツとやって、今の状況を作った。
こういうやり方もある。
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適材適所という言葉をネガティブに受け取る人はほとんどいないだろう。しかし、この考え方は結構、「曲者」である。
適材適所というと、ほどんとの場合、「新しいやり方はしない」、「新しいやり方は認めない」という前提がある。ほとんどの場合と書いたのは、例外的に「何か新しいことをする」場合の適材適所というのは、新しいものを生み出せる人の配置を指すからだ。
パフォーマンスマネジメントの中にストレッチゴールと呼ばれる手法がある。これは個人に目標を与える際に、すでにその人が達成している目標よりやや高い目標を与え、その達成を「期待」することだ。
では、チームパフォーマンスをあげるにはどうするか?ひとつのやり方は、一人ひとりに対してストレッチゴールを与えることである。その積み重ねがチームのパフォーマンス向上に繋がる。確かにそうだ。これだけで十分か?
多くの人は、ここでチームワークといった「オバケ」を思い浮かべるのではないだろうか?
コンサルをしたプロジェクトでこんな経験をしたことがある。化学製品の開発プロジェクトだったのだが、プロジェクトの途中で中途採用の技術者がプロジェクトに入ってきた。とりあえず、そこの会社に慣れるためということで、まあ、勉強がてらといったところだ。
最初はメンバーの話を聞く中で、雑用係みたいなことをやっていたが、半月ほど経って、3名の実験チームの一人になり、実験の一部を担当した。ところが、他の2人と較べると常に早く終わる。最初はチームリーダーは、なれないので、やり方を間違っていると思ったらしいのだが、そうではなく、検証ロジックを組んで、並行して実験を進めていた。それで早かったのだ(といっても単なる実験計画法だが、、、)。これは前の会社で身につけた方法だった。ただし、技術スキルはもうひとつで、実験はいくつか手戻りがあった。
プロジェクトマネジャーは、仮にこの技術者がプロパーの社員であれば、その(重要プロジェクトと位置づけられた)製品開発プロジェクトには選ばれなかっただろうし、そもそも、うちの会社でエンジニアとして生き残れるかどうか怪しいとまで言っていた。にも関わらず、このプロジェクトマネジャーは、彼のやり方を自分のプロジェクトにどんどん取り込んでいった。
この例は偶発的だが、本当の意味での適材適所というのは、こういうものである。つまり、多様な視点で考え、どの視点が今一番必要かということを見極め、その視点から優れた人を割り振ることである。こうすれば、適材適所というのは失敗しないための方策ではなく、チームとしてストレッチゴールを達成するための方策になる。
冒頭に述べた曲者と書いた理由は、この視点設定ができない限り、いくら適材適所といっても非現実的だということだ。楽天の野村監督がヤクルト時代に雑誌のインタビューでこんなことを言っていた。「巨人みたいに1番が出塁し、2番がチャンスを広げ、3~5番で点を取るというような単純な野球なら、1番に足が速い人、2番にバントのうまい人、3番は足が速くて、中距離ヒッター、4番はホームランを打てる人、5番は勝負強い人と並べればいい。でも、そんな選手がいなければ、どんな野球をやるかというところから考え、その野球をできるチームを作らなくてはならない。これが王や長島には分からない監督の醍醐味」。
野村監督のどんな野球をやるかというのが視点設定である。人がいないといいながら、ステレオタイプのやり方でやって、人がいないから失敗したというのはナンセンスもいいところだ。確かに、個人の目標をストレッチしながらやっていけば、少しずつは、選手も育っていくかもしれないが、その前に監督を首になるだろう。
この議論はもうひとつ面白い含意がある。個が先か、組織が先かという議論でもある。ある視点設定でスペシャリストになると、別の視点設定をする組織では活躍できない。トルシエが中村俊介を選ばなかったのはこれだ。ここで個が先なら、自分の身につけたスキルに合う組織を捜すということになる。組織が先なら、個性を組織に併せるしか生き延びる道はない。つまり、自分のスタイルにこだわらず、組織の求めるスタイルになっていくことだ。
日本の会社は、個を活かすとかいいながら、やっぱり、組織が先で個を活かす方向を求めているだけのように見えるのはなぜだろうか?最後に、ひと言。モダンプロジェクトマネジメントというのはどう考えても個がありきの手法だな。
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米国人は分ける文化を持っている。これは、コンサルタントのキャメル・ヤマモトさんの指摘だ。
鷲・龍・桜
http://people.weblogs.jp/books/2007/04/post_46a2.html
この本を読んだときに、ピンときた。
ゴールデンウィークで多少気持ちの余裕があったので、それぞれの文化というのがどういうものかというのを、ショートストーリー仕立てにしてみた。
合わせる文化【ストーリー編】
http://people.weblogs.jp/ppf/2007/04/post_8f2d.html
分ける文化【ストーリー編】
http://people.weblogs.jp/ppf/2007/04/post_5872.html
プロジェクトマネジメントといった話は抜きにして、どちらの進め方がよいと思われるだろうか?意見をお持ちの方は、ぜひ、ブログにコメントを頂きたい。
どちらがよいかは別にして、確実にいえることがいくつかある。
一つ目は、分ける文化の方が実行が易しい。もっと正確にいえば、組織としての実行が易しい。今回のストーリーの場合でも、父親がしっかりとしていればこういうやり方はできる。つまり、リーダーがしっかりしていれば、分ける方が組織としての生産性は高くなる可能性が高い。
誰でもできるようするには分ける方がよいと即答する人もいるだろう。注意しなくてはならないのは、確かに実行者の能力が低い場合に有効な方法だという一面はあるし、これが一義的であるが、そのほかに、非定型なことをする際には分けることによってスムーズにできるという側面もある。合わせる方法だとある程度の適応期間が必要になる。
農耕民族が毎年同じ場所に土壌の改良をして少しでも多くの収穫を上げようとする場合には合わせる文化のほうがよい。ところが、狩猟民族が毎日少しでも多くの獲物を得るためには分ける文化が必要である。大学(システム工学科)の卒業式のときに、先生が「みなさんは狩猟のできる農耕民族を目指せ」と言われたのにひどく感動したことがある。結局、バランスの問題なのかもしれない。
二番目。
合わせる文化の方が、その成功が人間に依存する割合が高い。これは一番目の合わせることは実行が難しいという事実と関係が深い。人間に依存する割合が高いので、一朝一夕にはできない。積み重ねが必要だ。
三番目。
合わせる文化の人が分けるやり方をするのはしんどい。あるいは、分ける文化の人が合わせるやり方をするのはしんどい。
そもそも、「仕事を分担する原理」を発明したのはテーラーであるが、テーラーの原理には、「経済的刺激」によってワークモチベーションを生み出していることへの批判が常について回っている。形は違うが、この発想は目標管理として引き継がれている。ビジネス組織でいえば、分ける仕事の方法と目標管理はだいたいワンセットになっており、これが合わさってストレスになっている感がある。
昨今、ストレスマネジメントが注目されているが、合わせる文化を持つ組織が、ストレスの発生する仕事のやり方を受け入れて、ストレスマネジメントに注力するか、あるいはストレスを発生しない仕事のやり方にいくかは微妙なところだ。
特に、この議論をする場合には、これまた、最近、注目の「クリエイティブクラス」といった新しいガバナンスの概念も気になるところである。
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マッケイ一家は、カリフォルニア州ビバリーヒルに住んでいる。父親のナット(Nat)、母親の淳子(旧姓 近藤)、長男・ディラン(Dylan)、次男・スティーブ(Steve)、長女・ケリー(Kelly)の5人家族。
昨年、日本旅行をし母親の淳子の友達の田中さんのところにステイした。今年は、田中さん一家がステイすることになった。淳子はクルマでロサンゼルス空港まで出迎える。
家では、ナットが仕切って、歓迎パーティーの準備をする。
ナット「田中さん、つくのはお昼過ぎだし、バーベキューとビールで歓迎しようと思っているのだが、何か、他にいいアイディアはあるかい」
ディラン「天気もいいし、いいんじゃない」
スティーブ「日本人は魚介類が好きだっていうし、肉だけじゃなく、魚も焼けば」
ナット「それはいいかもしれない。ケリーはどう思う?」
ケリー「時差で体調悪いかもね。日本人ってあまり油濃いものを好まないというので、肉も脂肪が少ないところがいいかもね。」
ナット「グッド。じゃあ、今日のメニューはバーベキュー、材料は牛肉、魚、野菜だ。牛肉はできるだけ脂身が少ないところ。魚は白身がいいな。スズキなんかいいな。野菜は、コーン、ピーマン、オニオン、ポテト、マシュマロくらいでいいか。あと、ウィンナーだな。じゃあ、役割分担だ、まず、ディラン」
ディラン「はい」
ナット「ディランはまず、ミートショップ○○にいって、牛肉2Kg、次にスーパー○○でコーン1Kg,ピーマン500g、オニオン3Kg、ポテト3Kg、マシュマロ1Kg買ってきて。そのあと、隣のリカーによって、ビール50本買ってきて。わかった?」
ディラン「わかった。予算は?」
ナット「肉が100ドル、野菜が50ドル、ビールが100ドルだ」
ディラン「了解」
ナット「スティーブは、スーパー△△で、ウィンナー2Kgととスズキの大きいの一匹を買ってきてくれる。予算は全部で100ドルだ、いいかい?」
スティーブ「OK」
ナット「今、9時で、たぶん、道が込んでいないと13:00には到着する。そこで、ディランはルート○○から××のルートで行こう。この時間ならすいている。帰りはルート●●がいいだろう。今から出ると9時40分にはミートショップ○○につくので、買い物を20分で終わろう。そのあと、スーパー○○につくのが10時10分だな。こちらは買い物に30分かかるとして、10時半か。隣が、リカーなので、10分でビールを買い終えて、10時40分か。リカーからは20分だな。11時はつくか」
ディラン「ちょっと厳しいんじゃないか。道込んだり、店でお客が多いと無理だよ」
ナット「そうだな。じゃあ、20分余裕を持って、11時20分までに家に戻ってくることにしよう。11時20分から、バーベキューの準備にかかれるようにしておくから、何とか、11時20分までに帰ってきて。」
ディラン「了解」
ナット「スティーブはルート○△の往復でいいな。片道20分ってところだから、買い物に30分かかるとして、11時には帰ってこれるか。」
スティーブ「OK」
ナット「ケリー、やっと君の出番だ。君は、バーベキューの道具と食器の準備だ。まず、最初にガスボンベの点検をして。なければ、2丁目の雑貨でかってきて。コールマンだ。11時にスティーブ、11時20にディランが帰ってくるので、もし、早く終わった休んでいていいよ。11時から、12時30分までの間に準備しよう。11時から30分で魚をさばこう。11時30分から12:20分までで、肉と野菜を準備すれば、12時30分には準備オーライだ。」
ケリー「わかったわ」
ナット「じゃあ、始めようか。何かあるとまずいので、1時間に1回、パパに状況を連絡してくれ。もし、誰からの状況で予定を変更しなくてはならない場合には、パパから連絡するから」
<1時間後>
ディランから電話「行きの道が少し込んでいて、さっき、ついたところ。店の方はすいているので、5分くらいの遅れで、スーパーにつくと思うよ。11時20分は楽勝だと思う」
ナット「そうか、そのなることを祈っているよ」
スティーブから電話「パパ、こちらは予定どおりです、11時前には帰れそう」
ナット「了解。お~い、ケリー、君はどんな具合だ」
ケリー「準備は終わった。やっぱり、ガスがないので、これから買ってこようと思っているところ」
ネット「そうか、じゃあ、気をつけて行ってらっしゃい」
<2時間後>
ケリーとスティーブは帰ってきたが、ディランから電話があって、
ディラン「まずい。必要なものは全部買ったけど、事故渋滞があって、11時20分には戻れないと思う。早くても11時30分、遅くなると12時近くになるかもしれない」
ナット「わかった、君が事故をしないように、気をつけて、できるだけ急いで帰ってくれ」
電話をきり、ケリーに言った
ナット「ケリー、ディランは遅れるそうだ。もう、買い物は全部終わっているそうだから、どうしようもない。まず、ママに電話して、何時くらいにつくかを確認して」
ケリー「わかったわ」
ケリーは淳子に電話して確認したところ、予定通りだという。そこで、今度は、ナットが電話をした
ナット「ちょっと準備が遅れているんだ。すまないけど、事前に打ち交わせておいたように、ルート××にルートを変更して、形式を楽しんで貰って、13:30くらいに戻れるようにしてくれないか」
淳子「わかったわ」
12時前にディランが戻ってきて、それから1時間半で、準備を追え、無事、田中さんを迎えることができた。
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田中家は、父親の剛志、母親の淳子、長女・春子、次女・夏子、三女・秋子、四女・冬子の4人兄弟の6人の家族だ。京都に住んでいる。
ある日、母親の淳子の友人であり、米国人と結婚して米国に住んでいる近藤さんが家族5人で日本旅行をするということで、何日か田中家に泊まることになった。淳子とは25年ぶりの再会になるらしい。淳子は関空まで迎えに行くので、姉妹でご馳走をつくり、迎えることになった。
剛志「かあさんの大切な友人やから、君ら4人で協力して近藤さんたちにご馳走を振舞ってあげて。とうさんは今日はどうしても抜けれない仕事があるから会社に行ってくるし。近藤さんたちがいらっしゃるまでには帰れると思うし、あとはよろしくな。困ったことがあれば、とうさんか、かあさんの携帯に電話して相談してや。とうさんも携帯くらいは出れると思うし」
といって淳子の空港に向かう車に便乗して出て行った。現在、13時、近藤さんたちが田中家に到着するのは18時くらいの予定だ。
残された4人は30分ほど相談して本日のお品書きを決めた。メインをすき焼きとちらし寿司にすることになった。次は、材料の買出しだ。
秋子「クルマあんの、春子姉さんと夏子姉さんやから、二人で適当に買ってきて。その間、私と冬子は家に食材があるもんを使ってオードブルとかの準備をしておくし」
春子「わかったわ。私、いい店を知っているし、ワインと日本酒を買うてくる。途中に○○屋もあるから、肉も買ってくるわ。夏子は市場行って肉以外のすき焼きの材料とチラシの具を買ってきて、すき焼きとチラシに何入れるかは夏子に任せるし」
夏子「わかった」
春子と夏子を見送って、秋子と冬子は相談を始めた。
冬子「おつまみ、どないしよう?」
秋子「冷蔵庫を見て、材料をみてから考えよ、でももう少し、時間ある。お母さんにきけば、近藤さんところの息子さんイケメンいうし、私、美容院に行ってきたいんやけど。1時間半ほどで帰ってくるから」
冬子「わかった」
<近藤一家到着3時間前>
春子がワインと日本酒を買って帰ってきた。
春子「夏子はまだ帰ってへんな。あれ、秋子は」
冬子「美容院行った。もうすぐ、帰ってくると思うけど」
春子「しょうがないなあ、じゃあ、冬ちゃん、オードブルを作ろうか」
冬子「うん、生ハムはきればいいし、あと、根菜のサラダとか、酢の物が作れると思うけど」
春子「ご主人、アメリカ人でしょ。少し、変わったものも付け合せよう。お漬物のスティックとかどうかしら。秋子に電話して、美容院の帰りにしきでお漬物を適当に買ってきてって伝えといて」
冬子「それから、夏子姉さんから電話があって、思いっきり9号線が思いっきり渋滞しているそうや。思ったより時間かかるかもしれへん、言うてた」
春子「そうか、ほな、秋子も遅うなるかもしれへんな。できるだけのことしとこ」
といって、寿司飯の準備とか、すき焼きの割り下の準備とかを始めた。
<近藤一家到着1時間前>
夏子が戻ってきた。春子が早速、何を買ってきたかを訊ねる。
夏子「すき焼きは、焼き豆腐、葱、春菊、椎茸、しらたき。チラシは海鮮チラシやな。鯛のいいのがあったんで、これがメイン、イカ、甘エビ、いくら、たこ、かにくらいやな。あとは、タマゴときゅうり、がり」
春子「わかった。ええな。じゃあ、夏子、チラシつくってくれるか。もう、ご飯は炊けるし。私はすき焼きの準備する。冬子は手が足らないところの加勢と、配膳準備な。」
<近藤一家到着30分間前>
最後に、秋子が一番帰宅が遅くなったが、やっと全員が揃った。とりあえず、春子と冬子は酢の物を作って待っていた。春子が秋子に何を買ってきたか訊いた。
秋子「きゅうり、なす、すぐき、しば漬、千枚漬、ゆず大根、たくあん、それから旬のもんで若筍といったところや。それから、おふのいいのがあったんで、買うてきた。すき焼きいれよ」
春子「わかった。それを一口にきって、串に刺して、桶に氷をひいてそこにたてよ。これが一番急ぐ出し」
夏子「まだ、あかん。おけ、寿司飯を作るのに使うし」
春子「ああ、そうか。じゃあ、秋子、別のもん探して」
夏子「秋子、若筍は醤油漬けやろ。少し、多めにあったら、チラシの具にするし、こっちにまわして」
秋子「わかったわ」
こうして、何とか18時には、淳子と一緒にきた近藤一家を無事、迎えることができたのだった。
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プロジェクトマネジメントではなぜ、たくさんのドキュメントを書かなくてはならないのか?
今日のテーマはこれ。
日本型経営という表現がある。「従業員は家族、同僚は親兄弟、取引先は親戚」という経営スタイルである。家族だから、従業員同士であれば、言わずとも、何を考えているか、だいたい、分かる。ちょっと分からなくてもひと言二言会話をすれば通じ合える。苦労しなくてもコミュニケーションができる。このような経営スタイルは非常に生産性が高い。日本人がドキュメントを書くのは、まとめである。相談して何かを決める。決まったことをドキュメントに書く。だから、ドキュメントも簡潔であるし、場合によってはなくても済む。
これに対して米国の経営スタイルのステレオタイプは「従業員は他人、同僚も他人」という経営スタイルである。これだとまず、自分の意志や考えを明確に表明しないと何も始まらない。つまり、ドキュメントを書かないことには話しは始まらない。ドキュメントを書き、プレゼン資料を作る。そこからコミュニケーションが始まる。ある意味で非常に生産性が低い。
ここまではどちらでもよい。問題はではなく、「家族の中に他人が入ってきたらどうするか」ということにある。つまり、「価値観が違う」、「ビジネスの習慣が違う」といった人が入ってきた場合だ。日本人の典型的な対処は2つある。ひとつはお客さんとして扱う。自分の家に来たからには面子にかけて不自由はさせない。しかし、絶対に自分たちの実態は見せないし、交わらない。もうひとつある。自分たちの習慣に従えという態度にでる。この場合は、従わない限り、組織の論理を持ち出して排除にかかる。
こうなってくると、極めて生産性が悪い。従って日本人のマネジャーは生産性を盾にとって、気心の知れない人を組織やプロジェクトに入れないということを平気でやる。もっとたちが悪いマネジャーは(このような態度による人事評価の×を恐れ)、笑顔で受け入れ、排除にかかる。
「一生懸命溶け込んでもらおうとしたのですが、なかなか、頑固な社員で」(表向き)
「君もわがチームの一員になったのだから、メンバー全員に何をしているかを聞いて回って仕事を覚えろ。さもなくはここに君のできる仕事はない」(実態)
となる。
ドキュメントを書くかどうかはどうでもいい。しかし、ドキュメントを書かなければ、間違いなくこのようになる。こうなると大問題だ。
成果主義全盛のご時勢である。事業部長がプロジェクトに乗り込んできて、「次の商品がダメなら事象部長の席はなくなる。あのデザイナーを使え」などといってもおかしくない。
あるいは、収益の確保に困った部長がプロジェクトに口を出し、「人件費の安いベトナム人のプログラマを使え」と言い出してもおかしくない。
一家の主のプロマネとしては、自分の意志に関係なく、他人を押し込まれるような状況なのだ。この状況で、上のような対応をしていたのではもたない。
何とか、他人と一緒に仕事をする術を覚える必要がある。これがプロジェクトマネジメントである。
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弊社で10日間の長丁場のプロジェクトマネジャー養成研修を持っているが、その中の1セッションに自分の知らない専門分野を統合しなくてはならないプロジェクトをどのようにマネジメントしていくかを議論するセッションがある。
例えば、こういう状況設定をする。
産業ロボット(特殊作業用)の開発プロジェクト。SI企業から転職をしてきたあなたは、前職でのプロジェクトマネジメント業務の実績が買われて、いきなり、プロジェクトマネジャーに任命される。このプロジェクトは、機械、電子、光学、制御、ソフトウエアなどの技術の統合しなくては成果物は生まれない。
技術者してはもちろん、プロジェクトマネジャーとしてもソフトウエア開発プロジェクトの経験しかなく、機械、電子、制御、光学などの知識はない。ソフトウエア部分については一通りに知識があるものの、組み込みソフトウエアの開発プロジェクトの経験はない。さて、このような状況でプロジェクトマネジャーとしてどのように振舞うか?
多くの人が、自分に知識がないのだから、メンバーに任せるという。あるいは、重要な判断の局面では、自分の人脈の中で信頼できる専門家に聞くという(実は、上の設定はこの人脈の可能性を潰した設定にしてあるのだが、、、)。
問題解決に対する答えをしては、これで正しいと思う。メンバーをマネジメントすることにより、プロジェクトの問題を解決し、プロジェクトのゴールに近づいていく。しかし、これがすべてではない。というよりも、ある意味、これは当たり前のことに過ぎない。もっと大切なことがある。
この状況の最大の問題は、自分がどう技術的問題に対処するかではない。メンバーも同じ状況にある。機械、電子、光学など自分の専門のことしか分からない。その状況で、専門家の間のコミュニケーションができない限り、技術の統合はできない。
ここに注意が行かないプロマネはある思考の落とし穴に陥っている。
自分はメンバーを(業務的・技術的に)指導する立場にある
→ 今回は自分の専門を越えた範囲なのでどうするか
という自分のことしか考えないという落とし穴だ。
専門性がないプロジェクトマネジャーが抱える本質的な問題は、それぞれの分野での問題解決にどのように寄与するかではなく、コミュニケーションできないメンバーが自分の専門性をプロジェクトに活かせる方法を作ってやることである。
また、ITのように比較的同質性の高いプロジェクトでも、このコミュニケーションに寄与することは、各人、ひいてはチームのパフォーマンスを挙げる上で極めて重要である。
コミュニケーション能力が高いプロジェクトマネジャーでも、メンバーとのコミュニケーションにしか関心を示さない人がいる。プロジェクトマネジャーの行うべきコミュニケーションは、メンバーとメンバーを結びつけるコミュニケーションであり、チームのコミュニケーションである。そして、これがチームをマネジメントするということである。
このようなコミュニケーションを実行できるためには
ヒューマンスキルとしてはファシリテーション
マネジメントスキルとしてはコミュニケーションマネジメント
といったスキルが必要である。
冒頭の問題の答え。コミュニケーションの活性化である。こういうと、必ず出てくる反論。メンバーの専門スキルが低い場合にはどうするのか?これについては、また、別の機会に!
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